土日に東京で精神科のセミナーに参加。「思春期・青年期における精神障害の病態とその治療」について。今回のセミナーで一番楽しみにしていたのは、青木省三先生の講座。「思春期・青年期の精神療法をめぐって」というテーマでお話をされました。以前から、書籍等を通じて興味深く関心を持っていたこともあり、今回は直接お話しがうかがえる貴重なチャンス。予想通りといいましょうか、お人柄そのままの素朴であたたかみのあるお話や診療への姿勢を語られる中で、たくさんの臨床のヒントをいただくことができました。~印象深かったお話から~発達障害の青年を診察した経過の中で、5~6回目の診察の時に、今までの説明や話がどれくらいわかりましたか?と尋ねられた時に、その青年は「ほとんどわかっていませんでした」と答えたということでした。その時に、青木先生は「そりゃあ、苦しかったじゃろう、ごめんねー」とおっしゃたというのです。先生の瀬戸内の訛りは、私には懐かしく心地よい響きでもあり、なおさらこの言葉のニュアンスがリアルにぐっと胸に来るのでした。「確かなコトバのやりとり」を心がけているという先生の臨床への姿勢には大変学ぶところが多く、青木先生の懐の広さがきっと多くの患者さんやご家族を支えていらっしゃるであろうことがよくわかりました。「省エネでいきましょう」「実をとりましょう」「苦しかったじゃろう」・・・発するのは簡単な言葉かもしれませんが、確かな言葉として伝えられるところに、青木先生の臨床の奥深さがあるのだなあ。発達障害で不登校・不適応になりそうな青年たちに「あなたは、数学と化学の勉強したらいかんよ、病気になってしまうけんね」「授業中は寝とかないかんよ」と言うこともあると、笑って脱線気味におっしゃるあたりに先生の魅力の真髄があるのかも。夏休み最後の週末、よい勉強の機会が持てたことに感謝。さて、明日から9月。充実した秋にしたいなぁ!!