自閉症の認識。

34
Nice!

私が初めて「自閉症」という言葉を知ったのは、10年以上前に、あるテレビドラマを見た時です。「事故で自閉症になった」というようなセリフが出てきたのです。うろ覚えですが、事故で怪我をして家に引きこもるようになり、それで自閉症になってしまった、、というような内容だったと思います。明らかに間違った意味で使われていますが、当時はこの内容を普通に放送していたのだから、(しかも高視聴率の人気ドラマ)、それが当時の認識だったということでしょう。私はこのとき、「自閉症って初めて聞く言葉だけど、どういう意味だろう?」と思って、辞書で調べると、「他人との会話や意思疎通が出来ず、自分だけの世界に閉じこもる症状」と書いてあったのです。その数年後、私の従弟(仮にS君とします)が、3才ぐらい(?)で自閉症と診断されました。(今は小学校高学年です)S君は住んでる場所も年齢も、私とかなり離れているので、たまにしか会わない間柄です。だからどんな子なのかよく知らなかったのですが、「全く言葉を喋らない。人と関わろうとしない。」ということだけ人づてに聞いて知っていました。辞書に書いてあった自閉症の症状と同じだな、と思いました。その後はあまり「自閉症」という言葉を耳にする機会はなかったのですが、久しぶりに聞いたのは、息子が生まれて間もない頃でした。育児雑誌に、「テレビを見せすぎると自閉症になる」と書いてあったのです。それを読んだときに私は、「S君のお母さんは、テレビを見せすぎちゃったのかなぁ?うちの息子がS君のように全く喋らない子にならないように、息子にテレビを見せるのをやめよう。」と思って、一時的にテレビを見せるのを止めていました。私は、メディア等から得る情報を、そのまま疑わずに受け入れてしまうところがあります。それからしばらくして、「テレビの見せすぎで自閉症になると言うのは全くの嘘だ」という話を本で読みました。なんだ、嘘だったのか!じゃあ、本当の原因は何だろう?と思っていると、今度は、「自閉症は親の愛情不足云々・・」という話をどこかで聞きました。何でも疑わずに受け入れてしまう私ですが、さすがにそれには疑問を感じました。なぜなら、S君のお母さんは人一倍子供好きで、我が子に愛情を持って接していた事を知っていたからです。それに、S君にはお兄ちゃんがいるのですが、お兄ちゃんは明るくてよく喋る子です。同じ親が、兄弟の片方には愛情を掛けて、片方には愛情不足、ということは有り得ないと思いました。自閉症が先天性の脳の機能障害だということ、自閉症=喋れない という認識は間違っているということ、そして、私自身や私の息子も自閉症だということを知ったのは、それから2年ぐらい経った頃でした。私と息子の障害が判って以来、S君のお母さんが、頻繁にメールをくれるようになりました。自閉症の勉強歴はS君のお母さんのほうが長いので、いろいろとアドバイスをくれるのです。お薦めの本とか、講演会のビデオなども送ってくれました。メールをやり取りする中で、ちょっと気になったことがありました。同じ自閉症とは言え、S君はカナータイプ。私と息子はアスペルガー。共通点もたくさんあるけど、言葉を使えるか使えないかというところには、大きな違いを感じました。続きます