いまだにのび太に歯みがきの仕上げ磨きをしている。とにかく虫歯(に、なって歯医者に行くの)が怖いのだ。今まで1本だけ初期虫歯の時点で発見し、治療も簡単に済んでいるのも、仕上げ磨きで毎日、チェックしているからでもある。小さいころは大変だった。「こんなに落ち着きなく大騒ぎする子を 歯医者で見てもらえないだろうから・・・」と、大暴れして号泣するのび太の腕を、私の両足で押さえつけて必死で歯みがきをしていた。歯みがきの大切さを力説しても、理解することなど出来なかったのび太。でも、いつの頃からか、素直に磨かせてくれるようになり、自分でも磨くようになっていった。幼稚園の頃、「歯みがき教室」で歯の磨き方を教わってきても、覚えているはずなどない。のび太が一人で歯磨きするのを見ていると、右手に歯ブラシを持っているせいか、左の下の奥歯と前歯しか磨かない。そこで何とか一人で歯磨きが出来るように、視覚優位ののび太に「歯みがき順序カード」を作りました。ポイントは書き方。「うえ、ひだり、おくばのよこ」「した、みぎ、けんしのまわり」などと、箇条書きに。マニュアル好きののび太は、即、はまった!毎日、これをパラパラめくりつつ、一人で歯みがきできる優越感に浸っていたのび太。で・・・いまだに洗面所に置いてあるこの歯みがきカードを先日、パラパラとめくって見ていたのび太。(あれ?もしかしてまだ見て磨いてたのかな?)・・・と、思いつつ、「ん?歯みがきカード、ちゃんと見て磨いてね」と、言うと、「いや、もう、見なくても大丈夫だよ。 全部、頭に入ってるし、もう、幼稚園じゃないし。」「そっか。でも、これのおかげで、 幼稚園ののび太は歯みがきできるようになったんだよ。 ・・・もう、いらない?」「うん。もう、いらない。」「だよね〜! でも、もう使わないなんて何だかさびしいなぁ〜 お母さん、頑張って作ったんだよ。」「ちゃんと心の中にずっと取っておくから。 歯みがきのとき、いつも思い出すから。」そうだよね。子供の成長とは、いつもちょっとさびしいもの。でも、「心の中にずっと取っておく。いつも思い出すから。」・・・なんて、親の泣かせどころも知ったのび太の成長はやっぱり、うれしい。