昨日、のび太を4歳から見てくださっているK先生
(言葉の教室の先生、現在は教育委員会の特別支援担当)が、
担任のKP先生にもわかりやすい、
のび太のエピソードをいくつか話してくださったのだが、
人との会話ややり取りでも「パターン化」して
コミュニケーション力をつけていくのがのび太のようなタイプだ、
という話をしていた。
(K先生)「去年、コミュニケーション指導したときに
『好きな食べ物はなんですか?』っていう質問したときに、
のび太くん、ちょっとパニクッちゃって・・・。
それで、『じゃあ、好きな果物は何ですか?』
って聞き直したら、『グレープフルーツ』って答えてくれたんだよね。」
このことで、「ああ、そうか!!!」と、
疑問が解けたことがあった。
4月の参観日に、教室に飾られた「自己紹介」。
自分の似顔絵と、好きな教科、好きな動物・・・・など書いている中に
「好きな食べ物」という欄に
「焼き肉」と、書いていたのび太。
へ〜・・・そうだったっけ?
家に帰ってから、
「のび太、好きな食べ物に焼き肉って書いていたね。
おすしの方が好き、って言ってたよね?」
「え?あ〜うん。だけど、『好きな食べ物』は『焼き肉』なんだ」
「へ〜そうなんだ〜」
・・・という会話を交わした私とのび太。
きっと、K先生の質問の「好きな食べ物は?」でパニクったので、
「好きな食べ物は?」→(答え)「焼き肉」
・・・というパターンを自分で決めたのだろう。
なぜ、一番好きなおすしじゃないのか?
それは多分、「焼き肉が好き」のイメージがのび太にとって
いいイメージだったのでは・・・?
本当はおすしの方が好きだけど、
好きな食べ物、の質問の答えとして「焼き肉」を選択して、
インプットした・・・・・らしい。
K先生も納得していました。
「きっとそうやって、少しずつ、
いろんな受け答えのパターンを自分で決めて、
コミュニケーションしていくしか方法はないんだと思う。
この子たちは、自然と「空気を読めるようになる」ことも
「人の顔色を伺う」こともできるようにはならないから、
こちらでマニュアルを作ってあげれば、きっと将来、
本当に大切なコミュニケーションマニュアルになると思う。
面倒でも、『これだけは絶対に抑えて伝えたいこと』は
必ず視覚化して伝えて、ファイルしてあげて。
幼稚園のときにやっていたファイルの続きを作ってあげてください」
そうなのだ。
成人した高機能自閉症やアスペルガーの方の自伝などを読むと、
「常識辞典がほしかった」
「コミュニケーション辞典があればよかった」
という方が多い。
幼稚園のころ、書き溜めてファイルしてある「のび太のルールブック」を時々、読んでいるのび太。
確かに、何気に言葉で注意されるより、
ちゃんと言われたことが視覚化されていれば、
のび太だったら100%インプットできるに違いない。
のび太ものび太なりに、パニックにならないように
いろんなことを考えているのだ・・・
なんだか、切なくなってきた。
幼いながらも、自分の心の平静を保つための術を、
自分なりにパターン化することを覚えたんだ。
それが、パニックからのある意味「自己防衛策」でもあるのかも。
頑張っているのび太のために、
私も、「のび太のルールブック」復活させて、
たくさんの「引き出し」を作ってあげようと思う。
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