自閉症の子どもと暮らす家づくり(46)

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Nice!

さて、これまで書いてきたような紆余曲折をへて、ようやく家造りの最初の大きな一歩となる「土地探し」が終わりました。改めて思い起こしてみると、ただ(と簡単には言えないわけですが)希望に合った土地を見つけるだけで、ここまで苦労することになるとは想像もしていませんでした。というより、当初は建売の中から希望に合ったものが簡単に見つかるだろうと想像していたわけですから、実態はそこからは遥かに遠かったわけです。さて、土地が決まったので、いよいよ間取り(プラン)づくりとビルダー探しです。このように、土地を先に決めて、それからビルダーやプランを決めるやり方を「土地先行」といいます。これに対し、先にビルダーと話を初めて間取りとかも決めて、その間取りが入る土地を探すのを「建物先行」といいますが、今回の物件探しは立地(特別支援学校の学区であったり、周辺環境であったり)を重視していましたし、ビルダー任せにはしたくなかったので、自然と「土地先行」の形になりました。「土地先行」の場合、土地に対する各種規制(建ぺい率・容積率や用途地域、斜線規制など)を熟知していないと、「土地を買ってしまったあとで、希望するような間取りがどうしても入らないことが分かった」というトラブルが発生するリスクがあります。このようなリスクについては、そういったトラブルが致命的なレベルで(例えば「家が建たない」といったようなレベルで)起こらない程度には個人でも勉強し、また信頼できる不動産仲介業者の方に入ってもらい、また土地購入前に私が入れたプランを見せながら建売系のパワービルダーに粗いプランを入れてもらったり、さらには土地としてリスクの少ない「業者によって整備された分譲地」を選ぶといったことで回避しました。とはいえ、実は土地を購入して、ビルダーに詳細な間取りを入れてもらった時点で初めて、当初想定していたよりも斜線規制が厳しく、想定していた間取りがそのまま入らないことがわかるという小さなトラブルがありました。私自身としては相当周到にいろいろなことを考慮して、確実に希望間取りが入る土地を選んだつもりだったのですが、それでもそういったことが起こったわけですので、本エントリのように「土地先行」で家探しをする方は十分に注意されたほうがいいと思います。もし財布と時間が許すなら、契約前に建築士と話をして、希望間取りが入るかどうかのチェックをお願いしてもいいと思います。また、もう1つのリスクヘッジとしては、あまり「ギリギリ」の間取りを入れようとせずに、多少余裕をもって希望プランを入れられるように土地を選ぶ、ということです。そうしておけば、万一何か気付かなかった規制で間取りに制約ができても、その「余裕」によって問題が吸収できる可能性が高くなります。