ジロ・デ・イタリアで総合2位にかがやいたダニーロ・ディルーカの、ジロ期間中に採取された血液サンプルから、禁止薬物CERAが検出されたとの報道がなされた。なんとも。しかし大会期間中にCERAを使用、ねえ。何だか信じられないような気がする。重要なステージの前日に使用したようにCYCLINGTIME.comの記事には伝えられているが、注射して翌日にいきなり血液が濃くなって成績も良くなるというくらいに迅速に利くものなのかね。ようするにEPOなんだし、そんなに迅速に良く効くならNICUで未熟児貧血の対策にこれほど苦労はないように思うのだがね。もうちょっとゆっくり利くものじゃないかと思うがね。たとえばジロに先立つ数週間とか数ヶ月とかの検体で陽性といわれたら、ああジロに備えてのことかと納得もいくのだが。むろん私はドーピングに専門的な知識があるわけじゃないし、ふだんEPOを合法的な治療目的で多少は他の科よりもよく使っているという立場からの推測に過ぎないが。ディルーカ自身は使用を否定している。私も濡れ衣であって欲しいと思う。今年のジロで見せた彼の執念には敬服した。それに震災に見舞われた故郷を勇気づけようという彼の意思には、場所こそ違え震災に遭った者のひとりとしておおいに感動したものだった。もし彼がクロとなれば、これでジロ・デ・イタリアは2年続けて総合2位の選手がドーピングで処罰されることになる。昨年の総合2位リッカルド・リッコに引き続いてディルーカも失格、となると、ジロ・デ・イタリア自体の値打ちがかなり下がるような気がする。