「自閉症の人の人間力を育てる」

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Nice!

昨日に続き、最近の新刊からご紹介。「自閉症の人の人間力を育てる」篁 一誠(たかむら いっせい)著長年、自閉症支援のために活動されてきた篁先生(臨床心理士)の東京都自閉症協会での講演をまとめた本です。篁先生の講演録はこれまでにも出版されていますが、緻密な観察と分析に基づいた自閉症の方の特性にフィットした支援のあり方にはいつもなるほど!と納得させられることばかり。自閉症の人の働く力を育てるために大事なこととして、「模倣する気持ち」「人からものを教わる姿勢」「集中できる力」「家庭を教育の場に」ということを挙げられています。日々の診療の中で、ライフプランを考えること、将来的にどのような生き方を選択していくか、そういうことの重要性をお伝えしたいと常々思っていますが、この本の篁先生の言葉には共感させられることが多く、大切なアドバイスが得られると思います。著者の言葉から『自閉症の人たちのさまざまな行動の不思議さに戸惑いながら、なぜだろう、どうしてだろうという思いで、私は、彼らの行動を観察し続けました。そこからいくつかの仮説を立て、生活の中で検証することをくり返し、彼らの特性を理解することを試みてきました。自閉症の人たちの世界と私たちの世界をつなぎ、私が教わったことを多くの方に伝えるために、「通訳」と「伝導」が私の役割と思っています。』自閉症の人の人間力を育てる自閉症の人の人間力を育てる