摘み取られた芽。

13
Nice!

続きです。そういうわけで、3年生の時に猛練習をして泳げるようになって、「趣味は水泳」と言えるほど没頭しました。水泳のスポーツ少年団にも入りました。厳しい訓練に耐えられずにやめていく人も多かったですが、私は訓練の苦しさよりも上達することの嬉しさの方が大きかったので続けました。練習を一度も休まなかったので皆勤賞も貰えました。こうして頑張っている自分を誇りにも思っていました。しかし・・・これは6年生の終わり頃のことだったと思います。ある日の昼休み、クラスの皆は外でサッカーやらドッジボールをしていたのですが、私は他の用事があったので、外に出ないで教室で過ごしていました。すると先生が来て、「みんな外に出ているのに、あんたは外に出ないで何やってるの!!」と怒鳴られました。「用事があったので・・・」と私は答えましたが、「そんなの放課後でもできるでしょ!」とか、「天気いいのに外に出ないなんて信じられない!何を考えてるんだ!」とか・・・とにかくものすごく怒られました。休み時間に外に出ないで教室で過ごした事がそんなに悪いことなのか・・・・私はよく分かりませんでした。未だにわかりません。そして先生は私に向かってこう言いました。「あんたはそうやって、外に出ないで教室に閉じこもっているから運動ができないんだよ。水泳が出来るからっていい気になってるんでしょ?水泳だけ出来ても意味無いよ。あんたはクラスのみんなに『水泳しか能がないやつ』って思われてるよ」私が運動音痴で水泳以外は何もできないのは事実だから認めるけど、「水泳しか能がないやつ」ってみんなから思われてるなんて初めて知ったので、ショックでした。でも実際にはそんな風にクラスの子から貶されたことは一度もないので、先生が勝手にそう言っただけなんだろうなと・・。今思えば。でもこの時は冷静には考えられず、「みんな、私の事をそんな風に思ってるなんて酷い!」と、しばらくの間、心を病んでいました。不登校寸前の状態まで病みましたが、小学校時代の私は「学校は休んではいけない」というこだわりがあったので、どんなに嫌なことがあっても、毎日休まず登校しました。しかし私はもう、泳ぐことをやめました。