扉の外の誘惑

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Nice!

主人の実家の田舎にいってきました。ひたすら海水浴。ツヨは波で遊ぶのが大好きになり、一体何時間、海に浸かっていたでしょうか。指がふやけて真っ白、冷えで歯はガタガタいっても、休憩をすることができない。お昼ごはんだけほんの5分シートに座り、水着を脱がしてタオルで体を温めるものの、自分が食べ終わるやいなや全裸で海にダッシュ。たまにシートへ強制送還しても磁石みたいに海へ戻ってしまう。あとは4~5時間海中・・・。最後は目が半開きで、自分から上がりました。でも、本当に水が好きなんだなぁ。最近、両方の実家で、なかなか家の中で過ごすことができません。すぐに玄関に行って、外に出たいとパニックになってしまいます。それをとめることは難しいんでしょうか。とても悩みます。結局散歩やドライブに何回も付き合うことになり、田舎では早朝の6時半から小一時間、二人でドライブしました。二日も。それでも帰ってきても10分も経たずに、またクツを履きだします。おもちゃもおかしもビデオもゲームもたくさん持っていったけど、ほとんど見向きもしません。むしろ怒らせて逆効果だったり。まさに外出が新たなこだわりになってしまいました。きっかけは地元の訓練会のお泊り会でした。泊まった次の朝、すっかり場所に飽きていたツヨは、私がほんの何十秒目を離した際、一人で出て行き、行方不明になりました。血の気がサーっと引きました・・・。ああ、全て終わった、かと。近くには幹線道路も走っているし、車が来ようが目的地へ一直線に道路を渡ろうとする子です。幸いお友達のお母さんが車で探しにいって見つけてくれましたが、一時は110番して、最悪のことも頭をよぎりました。無事に帰ってきたツヨは、その日から扉の外の魅力に取り付かれてしまったのでしょう。自分の家や療育センターは鍵がかかっていることを知っているので、たぶん無理と思っているのでしょう。たやすく出られると知っているところでは我を通します。本当に全くこちらの言うことを聞きません。一体どうしたらいいのか、もうお手上げです。基本的な生活習慣は身についているけど、いわゆる自由な時間の中で、たくさんの不適切な行動を、これからどうやって対処していったらいいのか・・。田舎のおばあちゃんに、暴れようがなんだろうが、ダメなものはダメと押さえつけてでもやめさせたほうが本人の為じゃないの?と聞かれました。まったくツヨのために良かれと思っての言葉と思います。こういう理由でできないんです、と答えながら、言って聞かせることができないことのもどかしさ、絵でも写真でも説明できないルールを教える難しさ、一歳児でも分かる分別をツヨに説明すらできない知的な面のせつなさ、本当にこれでいいのかという不安、一番つらいのはツヨ自身であること、はたから見ている人もつらくないはずはないこと、そして本当に分かりにくい障害であることを再び思い知らされました。外出の形を考えていかないといけない時期にきているのかもしれません。いつも家族4人でいたいけど、それはずっとは叶わないのかもしれません。それを決めるのはツヨではなく私達親であることを認識しないと。早朝ドライブでのツヨ。何を考えているんでしょうね。                       よかったら応援のクリックをお願いします! ↓