パニックは忘れた頃にやってくる

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Nice!

のび太、4年生になって水曜日はクラブ活動の日。あれこれ悩んで「科学実験部」とやらに入部。クラブの日は始めての6時間授業でクラブは4時まで。音楽教室は水曜4時から。そんな1ヶ月前の第一回目のクラブの日のこと。「え〜!!!どーしよー!音楽教室に遅れちゃうよね?!」「音楽教室は5月から新年度だから先生にお話して Mちゃん(のび太とグループレッスンで一緒に習っている他校の子) の都合と合わせて曜日を変更してもらおうね。」「で、でも、今日はどーしよー!!!」「今日は先週、音楽教室の先生に 『学校が6時間だから遅れます』って話したから、大丈夫。 学校の授業の方が大事だからちゃんと終わるまでクラブをやって 慌てないで帰っておいでよ」「うん。」しかし、その日、4時5分頃に汗だくで走って帰ってきたのび太。「ちゃんとクラブ参加したの?」「うん。早く音楽教室、行こう!!!」・・・って感じで大急ぎで行き、5月から曜日を変えてもらえるようになりました。で、家庭訪問の日、先生「のび太さん、クラブの日、朝から 『今日クラブ何時に終わるの?ボク音楽教室4時からだし 心配だよ〜どうしよ〜』って、落ち着かなかったんです。 クラブの先生にのび太くんのことはお話して、 ちょっと早く帰るようにしてもらったんですけど・・・」「ええ〜???そうだったんですか?! 学校の授業の方が大事だし音楽教室は遅れていいんだよ、 って話していたんですけど・・・」先生「あ〜そうだったんですか〜 とにかく朝から心配で落ち着かないし、 クラブの先生に少し早目に帰らせてくださいってお願いしたら いくらか落ち着いたようでしたから。」「そうだったんですか〜すみません」先生「のび太くん『ああ〜考えるとパニックになっちゃう〜』って 涙目でイライラして自分の頭を叩きだしたので 『これはまずい』と思って。 でも、その心配なことをちゃんと表現できるのは いいことだと思います。 こちらも落ち着かない理由がわかっていれば対応できますし。 次の日ちゃんと『5月から木曜日に変わったから大丈夫』って 報告してくれましたし。」「そうなんですか〜 先生にそう言って頂けるとこちらもありがたいです」先生「次の週からは落ち着いてクラブ参加しているようですよ」・・・そうだったのか・・・のび太はこういう細かい出来事を説明しない。というか、説明できない。もう、こういうことにちゃんと落ち着いて対処できるようになっているものだなんて、安心しきっていた軽はずみな私。でも、やっぱり、無理なのだ。いくら口頭で「大丈夫」と説明しても、パニクっている頭に「大丈夫」はなかなか浸透しないのだ。せめて・・・  ?クラブは授業なので大事です。最後まできちんと参加すること。  ?音楽教室は『遅くなります』と連絡しているので遅れてもOK。  ?5月から曜日を変えてもらうようにお願いしています。ということを、箇条書きにして示せばよかったかも。初心忘るべからず・・・ そして、やっぱり時間とか約束とかそういうものを大事に生きるのび太にとって予定を崩すことや、臨機応変に対応するということは、そう簡単には出来ないのだ。最近、かなりいろんな点で融通が利くように思えたし、ちょっとくらいの変化にも落ち着いているように見えたけど、それは、違う。普段、ちょっとした変化もかなりの努力で我慢しているように見えるのだろう。それを、私は簡単に、「大丈夫。のび太はこれくらいなら平気になったから」なんて軽視してた。自閉症は(今のところ)完治しません。でも、周りの適切な対応で落ち着いた生活を送ることはできます。忘れちゃいけない。母として。