マイノリティを自覚すること。

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Nice!

アスペルガーの人たちが抱えている「生きにくさ」家庭で、学校で、社会で・・様々な困難にぶつかって生きにくさを感じていますが、それは、自分の感覚が「普通」の基準から外れていることに悩むことが原因なわけです。だから生きにくさの原因を作っているのはその本人ではなく、「普通」という基準を作っている定型発達者(多数派)の人達です。「普通」の基準さえなければ、アスペルガーは周りから「変わってる」「普通じゃない」などと言われて悩むことは無かったと思う。でもこうして世の中に多数派と少数派が存在する限り、どちらかがどちらかに合わせなければならないこともある。だから、多数派が作った「普通」という基準は必要なのかもしれない。そして私たちアスペルガーは、自分の脳が少数派であることを自覚し、多数派の基準に合わせて生きる工夫をすることも大切だと思います。息子が左利きなので、最近よく、左利きの世界について考えることがあります。世の中は基本的に右利き用に作られている。だから左利きの人にとっては不便な世の中かもしれない。でも本当は左利きであること自体は何ら問題ないのだけど、世の中が右利き用にできていることによって、不便が生じるわけです。でもどちらかを基準にしなければいけないから、多数派である右利きが世の中の基準になっているわけです。そういう点において、アスペルガーは左利きの世界に似ているな、と思いました。でもひとつ違う点は、左利きで不便を感じるのは本人だけで、他人が迷惑を被る事はあまりないと思う。だけどアスペルガーは、本人が意図せずも他人に迷惑をかけていることは大いにある。アスペルガーはたまたま脳の働きが少数派だっただけで、本人は何も悪くない、という考え方があります。それはその通りだと思いますが、だからと言って、そのままで良いわけではない。悪意は無くとも、たくさんの人に迷惑をかけていることは事実なのですから。「治らない障害だから仕方ない。アスペルガーが苦しむのは、定型の人が理解してくれないのが原因だ」・・と、定型の人に責任を転嫁するようなことをいつまでも言ってると(私も初めはそういう考え方でしたが)、ますます「アスペルガーは我侭だ。傲慢だ。」・・などと言われてしまう。アスペ当事者(特に大人の)は、「まわりが理解してくれない」と嘆く前に、まずはもっと自分を知ること。その努力を怠ってはならない、と思いました。