特別支援の実態

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Nice!

療育で知り合ったBくんは今、5年生。自分がアスペルガーということを受け入れて、今は普通クラスで頑張っている。でも、聴覚、触覚、嗅覚の過敏が激しいBくんには、普通クラスはかなりしんどい。中学は普通クラスにするか、特別支援級にするか、ということで、学区内の中学校の特別支援級の見学があったので、お母さんと行って来たらしい。しかし、パニックになると暴れたり騒いだりはしないが、ふら〜っと教室から出て行く生徒に、理由も聞かず強引に連れ戻す、耳ふさぎをして独り言を言う子に、ただ、「静かにしなさい」とだけ注意する、そういう無機質な対応がなされていたらしい。BくんもBくんのお母さんも、「中学校だからこういうものなの?」と、思いつつ、見ていたらしい。でも、何かが違う・・・。それは、指示も注意事項も予定変更も、視覚的に指示されることがないまま、授業が進められている、ということ。黒板に先生が書くことは授業の内容のみ。そして、見学が終わり、学校側から特別支援に関しての説明やら、学校の説明やらがあり、質疑応答があったので、Bくんのお母さんが、「ひとりひとりの弱いところに対応していただきたい。 口頭での指示が理解できない子が多いと思うのですが 文字などで示して指示していただきたいのですが」と、言うと、「そうですね。障害は同じでも弱いところはみんな違います。 このような『個人手帳』を作っています。 支援級の子、ひとりひとりの障害カルテのようなものです。 保護者に書いていただいて、弱いところを補う指導をしています」と、学校側。ふ〜ん・・・でも、でもさ、さっきの授業、見ている限りでは、一人一人の弱いところに対応している様子はなかったな〜と、思いつつ、Bくんママは聞いていたらしい。で、最後に学校側からのひとことに腰を抜かしたらしい。「この学校の普通クラスに入るにしても支援級に来るにしても、 先生の言った言葉を理解して行動できるようにしてきてください」へ?なんですと?この中学校の特別支援級には発達障害の生徒しかいない。それなのに、「言った言葉を理解できるように」だと?っていうか、さっき、私の質問に、「一人一人の弱いところを補う指導をしている」って言ったばかりじゃない?そうなのだ。「一人一人の弱いところを補う指導をしている」とは、世間的な売り文句でしかないのだ。「一人一人の弱いところを補う指導」をするように、と言われているんだろうが、自閉症そのものが全くわかっていないから、「言った言葉を理解できるように」なんて、さも、当たり前のように偉そうに言えるのだ。Bくん一家は今、引越しを考えているらしい。「あちこち見学してから引っ越そうと思って」せっかく、小学校でいい環境で理解されて頑張ってきたBくん。中学校の進学が、「怖い」と言い出しているらしい。