息子と電車を眺める休日

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Nice!

今日はオフ。日直当直でも自宅待機番でもない終日の休みは月に2回あればよいほうであるから貴重である。それでも担当患者の回診に行ってしまうあたりが根性なしだが。木製のテーブルの上で使っているとノートパソコンが熱暴走するので、何か冷やす手段をと思って京都駅前のビックカメラへ行き、あれこれ物色して、放熱素材の敷き板みたいなものを買ってきた。「冷えピタ」みたいなもんかなと思う。電気屋にいったら音響機器の売り場にも行ってみることにしている。DENONの小さめな5万円くらいのスピーカーがジャズをならしていたが、よい音であった。よい機器の音は聞いているだけで幸せになる。息子が値札をみて「値段が高いぞ」とつぶやいて不安げにする。よほど親父の浪費癖が心配らしい。買わんよと言ってやる。ただ内心、たしかにこの値段なら買えるなと思ったのは事実である。わざわざ四条寺町ではなくて京都駅まで行くのは、ビックカメラからの帰路に京都駅舎の西端の大階段を登って線路をながめるのが目的である。京都駅を西へ出て行く線路が、神戸線(東海道線ですな)・新幹線・近鉄線・嵯峨野山陰線とまとめて一望できるので息子にはお気に入りのスポットになっている。長大なコンテナ列車なんかが通ったらたいへん喜ぶ。昼間は滅多に通らないけれど。私もたしかにテツではあるが、秘境駅やら廃線跡やらの系統であるから、ちょっと趣味が違っていて退屈である。つきあっているあいだの暇つぶしに本を読んでいた。こういうときにいっしょに喜んでやるふりをしたりされたりするのが定型発達の親子なんだろうなと思う。息子はそれをあまり他にもとめる風でもなく、単に自分が好きなものを味わってそれだけでシンプルに幸せそうにするので、私もあんまり慣れないご機嫌取りはせず、楽をさせてもらった。小難しい社交を求めてこないぶん、私にとって、息子は一緒にいて凄く楽な人である。まあ、はた目に見たらあんな風に「言葉かけ」の足りない親父だから息子が自閉症になるんだなんて見えたことだろうと思う。眠れる人の島 (創元SF文庫)エドモンド・ハミルトン / / 東京創元社ISBN : 4488637043 そのときに読んでいた本。ハミルトンってこういう作品もかいてたんだな。