実は、結構、忘れ物が多いらしい のび太。
「寝る前に明日の時間割をそろえて、
エンピツを削って寝るんだよ〜」
と、毎日、呪文のように繰り返している。
1年生の時は、忘れ物をすることにすらおびえていたのび太。
毎日、
「お母さん、時間割、揃えたから、
ちゃんと揃ってるか、見て〜」
と、私に確認を求めていた。
絵の具道具を忘れたときはかなりパニクって、
パニクリながら、隣のクラスの友達に借りに行ったこともあるらしい。
しかし、もう3年生。
忘れたら自分の責任だ。
パニクってもいいから、そのときにどうしたらいいか経験もしないと、
忘れ物しないように・・・という、
緊張感も学習できないだろう。
忘れ物ひとつに大騒ぎしていたのび太も、
最近、そんな報告もなかったし、
私もなぁ〜んにも思っていなかった。
ところが2学期の担任との面談のとき、
「のび太さん、結構、忘れ物が多くて・・・」と言われたのだ。
あ〜やっぱりそうだろうなあ・・・
うすうす、わかっていた。
のび太が学校に行った後、部屋を見ると、
エンピツが転がってたり、
リコーダーの吹き口の部分だけが机の上にあったり、
嵐の後の部屋状態だからだ。
ま、昔みたいに忘れ物でパニクってはいないようだから
いいんじゃないの〜
最近、ランドセルの中も見られたくないような素振りののび太。
あ〜、そうだよな。
見られたくないものもあるだろうよ。
出しそびれた、(のび太的に不本意な)答案とか、
万が一、女の子からの手紙とか・・・!!!
いやいや、それはないだろうなぁ〜・・・
だから、見ないってば。
ある日、登校間際に忘れ物に気づいたのび太。
でも7時26分に出発しないと気持ちが悪いらしい。
だからものすごく焦ってる。
忘れ物を手にして、すでに背負ってるランドセルを
下ろすのが面倒だったらしく、
「お母さん、これ、入れて!」
と、言われたので、ランドセルに忘れ物を入れようと、開けた。
ランドセルにパンパンにぎっちり詰まった教科書とノート。
「え〜!ぎっちり入ってて入れられないよ〜」
と、言いつつ、ギュウギュウ急いで入れてのび太を送り出した。
?
あれ?
今日って午前授業・・・?
そのうち1時間は体育だからギュウギュウになるほど、
教科書類はいらないのでは?
帰ってきたのび太にその疑問を投げかけてみた。
「午前授業だったらあんなに道具、要らないんじゃないの?」
「・・・うん・・・」
「重いでしょ?」
「うん・・・・・でもさ〜忘れ物しないように、
全部の教科書とノート、持って行ってるんだもん・・・」
「!!!」
「お母さん、『ちゃんと時間割揃えなさい』って
いつも言ってるから、叱られるかなって思って・・・」
「すごい!頭いいじゃん!!!」
なるほど!
私には想像もつかなかった。
「忘れ物をしないようにする方法」としては、
合理的ではないかもしれないけど、最善策の手段だ!
誉められるとは思っていなかったらしいのび太は、
「え?頭いいの?ボク?」
と、逆にビックリしている。
「なるほどね〜お母さん、考えもつかなかったよ!
そっかぁ〜。毎日全部持っていけば、絶対に忘れないよね〜」
考え方に柔軟性のない私には、
ちょっとしたカルチャーショック(私語?)だった。
しかし、これ、知人に話したところ
「あ〜!結構、そーゆーことやる子、多いかもね〜」
え?そうなの?
感心してる私のほうがビックリもの?
ま、ちょっと不器用な忘れ物対策ではあるけど、
のび太なりに考えたんだろうね。
で、まさか誉められるとは思わなかったみたいだし。
でも、でも・・・
本当に、誉めたままで・・・
いいのか・・・?
今日も重た〜いランドセルを背負って行きましたけど・・・(汗)