いわゆる子供向けのクリスマスを卒業した感のある今年のクリスマス。サンタクロースは存在しないが、実在する誰かがサンタクロースになっているのを認識し、プレゼントはソリではなくアマゾンドットコムでやってくる。
25日まで渡さないように隠しておくクローゼットのスポットは完全に見破られ、狭いアパートではサンタの夢も簡単に壊されてしまうのだった。
示し合わせたかように夢は消え、時折クローゼットを覗きこむ子供達。何だか取り繕う面白みのなくなったクリスマス当日は貰って当然というプレゼントを開けることのできる期限日だ。
「ベン、プレゼントはサンタクロースが持ってくると思う?」と訊くと、「Umm, I don't know」と予想通りの返答。3歳年下の弟が即座に「No」と答えるのに比べれば、彼の中に夢は残っているか、 単にどうでも良いことなのか。
しかし普段から多くの時間を空想の世界で生きているベンには、それが現実であろうがなかろうが、自分の中での空想としてあれば良いわけであって、白黒をつける問題でも無いのだろう。そしてこれからも、ずっとそれは続いてゆくに違いない。
誰もがサンタを夢見で、自らもサンタになる。14歳でもサンタクロースを信じているかもしれないベンにいつまでプレゼントを渡せるだろう?
ギフトの式典のようになってしまったクリスマス・シーズンは、少し辛いくらいにモノが氾濫しているのだが、サンタさんのプレゼントはそんなに多くは無いはずだ。
元旦には大晦日にカウントダウンで盛り上がったタイムズスクエアに行ってみる。年が明け、すべてが終わった新年の風景は落ち着いていて、とてつもなく平和だ。
クリスマスの飾り付けの残ったこの時期の街が、本当のクリスマス気分を楽しませてくれた。