「パニックを考える」のシリーズ記事、ちょうど大みそかに最後の記事が書けました。8.まとめ長い期間にわたって、自閉症児のパニックについてさまざまな角度から考えてきました。パニックを「正しく」理解するうえで第一に重要なことは、パニックを単なる問題行動としてではなく、ある種の「適応行動」、つまり、自閉症児が彼らなりに獲得した、欲求や混乱を解決するための行動だととらえることだと思います。自閉症児は、そういった状態を伝えようとしても、ことばやジェスチャーといった健常児が容易に使える方法が(何らかの認知上の困難により)うまく使えないと考えられます。そのために、端的に「泣き叫ぶ」という方法、つまりパニックという「問題行動」が「発達」してしまう、と考えられるのです。だとすれば、以下のようなパニックへの働きかけは、すべて「望ましくない」ということが理解されるでしょう。