今週号の「週間東洋経済」が日本の医療の危機的状況について特集している。いろいろな角度から医療の状況を報じているのだが、その記事の一つ一つが深い。かつ、くっきりとピントが合っている。澄んだ空気の中で見ているかのように、問題の細部がはっきりと見えるような記事である。ぴしびしと言い当てられている感触とでも言おうか。扇情ではなく報道に徹した特集と言おうか。医者相手の業界誌にありがちな「これ以上書いても読者は理解できんし、そのくせ怒るし」というぼやけた諦観が感じられない。限られた構成員でほんわかと運営していた分野に、はるか世界と戦ってきた「びじねすまーん」達が颯爽と乗り込んできて、次元の違う仕事をしていったという態である。
経済誌って凄いなと思った。井の中の蛙でいままで経済誌って読んだことなかったんだけど、我ながら世界の重要な部分を知らずに過ごしてきたなと思う。痩せても枯れても日本が経済大国だという、その底力の部分をどういう連中が支えているかを今更かいま見た思いがする。ただ、この優れた連中は必ずしも俺たちを救おうという魂胆じゃないかもしれんのよな。彼らの視線の虎視眈々とした色合いには決して油断してはいけないと思う。