写真カードを使って、R太に言葉のレッスンをしていると、必ずK坊がやってきて、一緒に勉強することになる。兄のしていることは、とにかくなんでもマネしなくては気が済まないのだ。 その結果、親として、なんとも言えない皮肉な状況を目の当たりにすることになる。 R太が、数日かけて何十回と書き取りを繰り返し、ようやく記憶することのできる単語たちを、K坊はたった一日、それもほんの二、三回、読み聞かせてもらうだけで、すっかり覚えてしまうのだ。単語だけではない。絵カードに添えた漢字さえも、読みを覚えてしまってい ...