波乱の一日

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Nice!

朝の通学は、寄り道もあんまりせず、いつもよりはよかったみたい。
けど、学校が終わった後が大変だったみたいだ。

一日に授業が終り、教室であいさつを済ませると、大体体育館に行って、バスケを楽しむのが日課のようなもん。

それが今日は、どういうわけか、体育館に寄らず、秋桜と一緒に手をつないで真っ直ぐ自宅方面へ。

もうちょっとで入り口に・・・というところで、タンコロは駄々をこねて座り込んでしまった。
そして秋桜が手を離した瞬間に、自宅を挟んで、学校とは反対方面にある最寄の駅へ。

どうも電車に乗りたかったらしく、タンコロに追いついた秋桜が、タンコロの手を引いて帰ろうとすると、「でんしゃ、デンシャ!」と言って帰ろうとしない。

やむなく秋桜が、一緒に電車に乗って、一駅だけ行って、帰ろうとしたんだけれど、タンコロは一駅では降りようとはしなかった。
椅子の座り込み、車外の風景を楽しんでいた。

結局、往復40分も電車に乗り、やっとこさ、最寄の駅で降りた。

そこから真っ直ぐ帰れば良いものを、どうしたわけか自宅近くにあるスーパーへ。

その3階におもちゃコーナーがあり、そこにあるゲーム機にまっしぐら。
終いには、怪獣のおもちゃをつかんで離そうとしない。
秋桜は自宅に電話し、帰宅したばかりのペイスケに「お金を持って、スーパーに来て」と頼んだらしい。

状況が良く飲み込めていなかったペイスケは、スーパーで秋桜と一緒のタンコロを見つけ、あっという間に状況を飲み込んだらしい。

「コラ!タンコロ!おもちゃはダメって、いつも父ちゃんに言われてるじゃないか!
父ちゃんに言いつけるぞ!」
と言うなり、ゲンコをゴツン!

これがタンコロには効いたらしい。
それからすぐ帰宅し、気が付いたら、夜7時半。
そのすぐ後にボクが帰宅。

疲れきってる秋桜の様子を見て、なにか起こったな、とは思ったけれど、まさか電車を乗りに行ってるとはね。

まったく、いつもの日常とは大きく異なった一日になってしまった。
変化に弱いタンコロなのに、思い込んだら命がけ・・・

頼むから、ボクだけじゃなく、秋桜の言うことも聞いてくれよ。タンコロ。