ノースカロライナ大学
TEACCH部部長ゲーリー・メジボフ教授による講演会
「自閉症を正しく理解すること」〜自閉症の支援で最も大切なこと〜
に参加してきました。
講演の内容を振り返り、私がなるほどと思ったところをメモしてみます
テーマは大きく3つに分けられていました。まずは…
?自閉症の人たちを正しく理解すること
〜特性を理解する〜
「自閉症」は英語で「Autism」
自閉症の人は定型発達の人に比べて脳の一部が欠けていたり壊れていたり病変があるのではなく、脳が「違う」のである。その違いは、国によって文化が異なるのと同じように、良い悪いではない。
1964年、「自閉症の人は自分の経験体験を整理するときに困難を持っている」ということが研究によりわかった。
教育現場は経験体験の積み重ねである。よって、自閉症の人の困難さが顕著に現れる。
研究の結果、3歳児の脳の重量を比べたところ、自閉症の脳は定型発達の脳よりも重いということがわかった。
脳が重いのになぜ自閉症の人は困難を抱えているのだろう?研究者は驚いた。
それは、定型発達の人は伸び過ぎた枝葉を剪定するように脳がある程度発達し過ぎると余分な所が消えてなくなるが、自閉症の場合、脳の不必要なところが消えてなくならずそのままになっていることが原因らしい、ということがわかった。
自閉症の人は「絵」で考え、理解することが多い。それは正確であるが、ある場面から他の場面へと応用することが困難である。
定型発達の人は「言葉」で考えることが多い。それは具体的、概念的である。他の場面への応用が効く。
自閉症の人は「絵」で考える。すなわち一次元的でありものごとの流れ、順序に対する困難があり混乱しやすい。
なので、自閉症の人はよく「いつ〇〇行くの?」「いつ〇〇?」と質問する。順番を覚えていることが苦手である。
絵で順番を示す、たくさんの具体的な例を示すことがポイント。
自閉症の人の注意のしかたは、懐中電灯で一部分だけを照らしているように狭い部分に焦点があたる。
ゆえに、その一部分の音や光、動きが非常に強く感じられ、感覚が過敏になると考えられている。
ある自閉症の人は、「みなさん(定型発達の人)はコーヒーを飲む時、フィルターを使うでしょう?私たちはフィルターなしでコーヒーを飲むような感じ方をしているのですよ。」と語った。
必要ならば刺激から逃れることも大事。また、何か問題行動が起きたら、環境面での刺激が原因になっていないか考えることも必要。そして柔軟な対応が求められる。
様々なアイデアを結び付け統合する力が自閉症には欠如している。なので、ものごとの関連性の理解が難しい。
何時何分はわかっても、時間の理解(どのくらいの間、という感覚)が難しい。
自発は難しい。様々な支援が必要となる。
?構造化された指導〜自閉症の特性に合わせた支援〜
…につづく。