夕方、また楽が泣き出しました。
「…お散歩に行きたい!」
近くの川べりへ、連れて行きました。
20kg近い5歳の楽は、おんぶをせがみました。
楽はしがみつかない。
だから、おんぶも抱っこも、こう重くっちゃツラくてしょーがない
渋々背負って歩きました…。
なんだか悲しくなってきました。
川をのんきに泳ぐ鴨たちを見ていたら、
近くでエサの食パンを投げていたおばあちゃんたちに「投げる?」と食パンを1枚いただきました。
ちょっとずつ小さくちぎってあげると、川に向かって投げる楽。
メソメソ顔が…だんだん笑顔に。
どんどん投げました。
夢中になって投げました。
最後は思いっきり投げました。
鴨が、一生懸命にエサを追いかけていました。
楽も、
私も、
笑った。
楽しかったね。
鴨さんて、食パン食べるんだねえ。
今度、食パン持って来ようね。
ひびちゃんも連れて来ようね。
両手をバタバタと、羽ばたく鴨をマネしてみる楽。
そうだね、鴨さんエサ追うのに夢中で、羽ばたいたよね。
鴨さんて、結構飛べるんだねえ。
楽、なんで泣くのか、その時の理由はわからないけど、
楽には言いたいことが山ほどあって、
だけど上手く言えなくて…、
悲しくなっちゃう、
わかるよ。
わかる。
ママ、わかりたいんだよ。
だって、あなたを生んだママだもん。
わかってあげられないかもしれないけど、必死でわかりたいんだよ。
楽のこと。
誰が何と言おうと、
知りたいよ。
近付きたいよ。
楽の心に。
自閉症の世界に。