さて、当初検討エリアよりも「さらにもう1段郊外」の土地について、正式に申込みに進む前に、私としてはどうしてもやっておきたいことがありました。それは、「条件を変えて何度もその土地に足を運ぶ」ということです。実際、この土地については、「最終的な決断」をするまでに、4回足を運んでいます。1回目は、不動産業者の営業カーに乗って物件めぐりをしていたなかの1件として。2回目は、同じ日、不動産業者の営業店を出た後、自分の足で駅から物件まで歩いて。3回目は、翌日(日曜日)、夜の雰囲気を確認するために、夜に駅から物件まで歩いて。そして4回目は、さらにその翌日(月曜)、早朝に物件の最寄り駅まで移動したうえで、あらためて会社に向かう電車に乗り、「通勤のイメージ」をつかむために。そして、「最終的な決断」を下すのに決定的な要因になったのは、この「4回目」でした。実際に朝の通勤電車に乗ってみて、朝の通勤の負担が予想以上に大きいことに気づいたのです。この物件の最寄り駅は、ターミナル駅で特急も止まるため、朝の通勤時間帯以外での電車の所要時間は、各駅しかとまらない元の住所の最寄り駅と比べても10分も違いません。ところが、朝は電車がつかえてノロノロ運転になってしまうため、この「差」が大幅に拡大し、しかも各駅でない電車に乗るために混雑がものすごく電車の中で何もできず、倒れないように立っているだけで体力を消耗するような状態が続きました。実際、会社に着いてみて、これから仕事なのにすでに疲れている自分に気づき、「これはわざわざ大金を払って引っ越すべき場所じゃない」と確信したわけです。すぐに不動産業者には断りの電話を入れました。時間がたてばたつほど売主にも迷惑をかけてしまうからです。こんなわけで、またもや物件探しは振り出しに戻ってしまいました。朝の通勤時間帯のノロノロ運転と各駅以外の電車の今沙汰うが予想以上だったので、これ以降、エリアを当初の希望以上に郊外側に広げるのもやめることにしました。そうなってくると、もう元の希望エリアではめぼしい物件はあらかた見尽くしてしまっていたので、改めて物件探しの「ベクトルを変える」ために、次のような2つの方向性を考えることにしました。1つは、「郊外に出ないで市区を変えられる土地を探す」という方向性、もう1つは、「二世帯住宅を前提により広い土地を探す」という方向性です。