さて、建売りから土地に家探しの中心をシフトしてまもなく出てきた「良さそうな土地」にさっそく申込みをしたのですが、その日の夜に不動産屋からかかってきた電話の内容は意外なものでした。「すみません、あの区画はすでに建売りを建てることが決まっていたので、土地としては売れないことが分かりました」一般に分譲地というのは、条件の悪い区画(旗竿だったり北向きだったり狭かったり)については早めに「土地としての販売」に見切りをつけて建売り物件として売り始め、南向きの広い区画などはより高い予算で家を探している客に向け、長期間「土地」として販売を続ける、といった戦略がとられることが多いです。そのため今回の物件についても、私が申し込んだ区画(分譲地の中では比較的条件が悪い区画)はゆくゆくは建売りになるだろうという話は聞かされていたのですが、実際にはとっくに建売り計画が進み、私が現地を見て申し込んだ時点で、すでに建築確認まで出されていたということが分かったのです。簡単にいうと、営業マンの情報不足でした。その区画に建築予定の建売りの間取りを見せてもらったのですが、希望の間取りとは相当かけ離れていて、しかも建築費の安いいわゆるパワービルダーではなくワンランク上のハウスメーカーで建てる「高級建売り」というコンセプトだったため、価格も注文住宅で建てるのとまったく変わらない非常に割高なものになっていることが分かりました。これでは買えない、というこちらからの話に平謝りの営業マンから、まだ実際には建てていないから仕様の変更などは可能なので希望を出してください、と言われ、間取りの変更を含む大幅な変更の希望も出したのですが、返ってきた答えは「建築確認の変更を伴う仕様変更はできません」ということで、変更できるのは壁紙とかキッチンのメーカーとか、そういうどうでもいいところだけで、ちょっとした間取りの変更さえ難しいということになって、一気に萎えました。この大ポカをやらかしたのは、不動産仲介業界では最大手クラスの某社ですが、結局、家造りにかかる一連の取引のなかで、一度も利用することがありませんでした。この件のあと、連絡をとるのをやめたわけでもなく、物件の紹介なども何度かお願いしたりもしたのですが、どうも他社と比べると情報の鮮度が悪く、私がすでにネットで確認した情報さえ知らなかったり、依頼したことが忘れられて結局実行されていなかったりと、パートナーとして信頼できないという印象が最後まで拭えませんでした。対応にあたってもらった営業マンは実は店長だったとあとで分かりましたし、取引にかかる保証とかの条件は悪くない会社なんですが、それでも私の中では「使えないな」という印象が非常に強くなりましたね。さて、そんなわけで、家探し(土地探し)は改めて白紙に戻ってしまいました。少し時間もできたので、我が家が土地に求める立地条件や希望する家の間取りなどについて、改めて家族で話し合ったりもしました。その内容については、このシリーズ記事の1つのテーマである「療育を意識した家造り」と強く関連するものでもあるので、少し詳しく書いてみたいと思います。