水泳教室にまた行かれた日

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Nice!

4か月ぶりに水泳教室に行くことができました。

動きが止まる「カタトニア」のような状態になった前回。
進んでは止まり、戻り、また進み、
ツヨの気持ちに任せてみても、ツヨもどうしようもできませんでした。
あまりにかわいそうだったので、それ以後は休会していたのです。

そして素早く動く「繰り返し」の状態に変化してきた最近。
強迫的に繰り返す様子が本人もつらそうで、対応も相当苦戦しました。

児童精神科の医師に
「動いたけれど、動かないのと根本的には同じ状態ですね」
と言われて、確かにそうだ!と思いました。
物事が前に進まないのですから。
行ったり来たり、繰り返したりするばかりで。

強迫的な繰り返し行為の最高潮から10日ほど経ったでしょうか。

が、ある日を境にほんの少し、ツヨに目の色の落ち着きが見えてきました。

今だ。今のような気がする。

何回も着ようとする脱いだ洋服を物置に隠し、
舐めようとするお皿を排水溝の下に隠し、
お風呂から一回出たところで、さっと一円玉で鍵を掛けました。
こだわらなくて済む環境に工夫です。

「ひー」と訴えることもあるし、
引き出しを開けたり閉めたり、鍵をカチャカチャしているけれど、
そのうち切り替える確率が高くなってきたこの3日間。

無理に抑えようとしたり、強制的にやらせても悪化させるだけ。
自分で納得して(納得できる精神状態に戻ってきていることが前提)
自分に劣等感を抱かせず、
私もわざとらしく褒めちぎることもしません。

また戻ってしまうかもしれない。

でもほんの少し和らいだ日があったことは確か。

そして昨日、カレンダーに「すいえいきょうしつ」と書いてみました。

無理かな。ま、行かないだろうな。と朝、思っていました。

すると朝から衣替に没頭していた私のところにツヨがやってきました。

ツヨ「う?」

ん?「う?」とは何だ?

ひらがな表を渡すと
「す」を指差しました。ツヨは母音しか発音できません。

す?
す?

あ!「すいえいきょうしつ」?
「行くの!?」と聞くと
こくんとうなずきました。
まぁ!

「車で行く?電車で行く?」と尋ねると(車で行けば動かなくなっても何とかなる)
目をきらっとさせて
『電車!』(電車のジェスチャー)

そうか。じゃ、行ってみよう。だめもとだ。何とかなる。

すっと家を出たツヨ。
途中、はっと足を止めて雑踏の中で後ろ向きになること6回くらい。
でも端に寄せて声かけをしないで待っていると、
20秒ほどでまた自分から歩き始めます。

電車(モノレール)にも落ち着いて乗れた~!

プールまであと50メートルというところで、
私は後ろについて、前を歩かせてみると、
自分から「すっとした精神状態」(?)の背中で歩いているのが見て取れました。

受付も着替えも無事通過。
スクールをやっているレーンにたどり着きました。
5回くらいしか行けていなかったのにコーチや知り合ったばかりのママさんが
「久しぶりですね!」と喜んでくれました。

ツヨは水に入ると笑顔がこぼれ、顔だけ水面に出してすーいすーいと
自由に歩き、
促すとたまーに思い出したようにバタ足やけ伸びをするぐらい。

すっかり小学校低学年くらいの自由人に戻ったかもしれません。

でもそれでいい。

自分のやりたいことを選んで、やらなきゃいけないことにも折り合いをつけて、
楽しく人生を過ごすこと。

こちらの都合や思いで「行こうよ」「やろうよ」と言っても
普通の子なら嫌なら「NO!」と言える年頃。
コトを見ているとよく分かります。

そうもいかない状況も、我慢してもらうことももちろんあるだろうけれど、
ツヨの気持ちを今まで以上に尊重しないと。

「今まで分からなかったことが、成長して分かるようになっちゃった(笑)んだね。」
と医師。
対応は実に苦しいけれど多いに喜ぶべきことなのだ。きっと。

急に水中で活動したので、背中がぎっくり背中みたいになったアラフィフの私ですが・・・

イダイっす・・・