[シリコンバレーでの私たちの暮らし][アメリカの大学][自閉症関連]自閉症の大学数学への挑戦。ファイナル(学年末テスト)終了!

0
Nice!
渡は、きのうは朝8時から勉強を開始。寝たのが真夜中12時。今朝は朝7時に目覚ましをセットし、ぎりぎりまで、またテスト勉強していました。
自閉症のために、集中しすぎると、筋肉が固まってしまうため、定期的にお姉ちゃんがストレッチを担当して、背中合わせになってお互いをのせ合ったり、身体をのばしたりしてくれました。お姉ちゃんも完全に協力体制。開発リーダーも指導の為、参加です。
担当の数学教授は、先週、
「週末は20時間はテスト勉強をして下さい。」
というご指示でした。知的障害のある渡がかかる時間は、たいてい人様の4倍。
計算は早いんだけど、理解が遅い。20時間の4倍とすると、
80時間数学の勉強をしないといけないということかぁぁ....。
やっぱり、文章題で複雑な複利の計算とかは、彼にとっては難問。わからないと精神的に不安定になって不便だなーとも思ってました。
そんな渡のファナルが終わり。終わってから、教授とも話しました。45名いたそうですが、最後の学期末テストは、18名が受けたそうです。50%以上落ちてる...。怖すぎる大学数学。落ちた生徒は、あきらめたか、途中のテストや小テストの成績が条件をみたせなかったのか?家庭の事情か?なんらかの事情でいなくなりました。
渡は無遅刻無欠席で毎日通い通しました。宿題もついに一度も忘れず。
教授には、本当によく頑張ったといわれてほめられた渡。点数は、落ちてしまうかもしれないし、通れるかもしれない。それは、ご本人の学年末テストの出来具合の問題だし、点数がでないとわからない事。なので、数日の結果待ち。
今回通れば、大学数学は、終わり。できなければ、来年また再履修です。
けど、数学の点数よりも、もっとすごいことも学びました。
まずは自分のやっている事に誇りを持つ頃ができたこと。これは彼にとっては一生の宝物になるでしょう。
毎日早めにクラスにいき、前の授業のクラスで書かれている白板の文字を全てけして、授業がスムーズに進む様に考えたり。そんな事などで、クラスのみんなに配慮できるようになってきたこと。自分もクラスの一員として、積極的に授業参加できるようになったこと。
一度も授業中にパニックを起こさなかった事。
これらはクラスだけのことですが、この作用で、日常生活にも自分に自信がついたので、通学のバス停までの長い、長い道のりを一人で歩き、大学に行ける様になったこと。
聴覚過敏な渡は、小さい子供や女の子の高い声が耳に痛いらしく苦手で、渡が、通学路場にある小学校の前を通って通うのは、非常に心配していたのだけど、それも意を決して通うようになった。
下を向き、子供達の風景が見えないように考えて歩いています。すごく緊張しているのはわかるけど、頑張って通い通した事。一日もバスに乗り遅れる事もなく、雨の日もきちんとバスに乗れた事。(←カリフォルニアの子は雨の対応が出来る子が少ない。そのまま着ているヨットパーカーのフードをかぶって終わり。傘も持ってない子も多い)
それらのがんばりが、彼自身の自信につながっています。
自分の誇りや自信は、スーパーで売ってないし、努力しないと手に入りません。それを少しでも手に入れた事はよかったと思う。
さらにチャレンジできた事はよかった。発達障害を持つと、どうしても普通の子供にくらべ、チャレンジする前に親や周りの方達が「大丈夫?」って手を差し伸べてしまう事があります。これはこれで、非常にありがたいし、絶対に必要で、そういう手を差し伸べてもらえるのも、渡は非常に恵まれています。これは本当に感謝、感謝です。
だけど、渡自身が、一人の男の子として、そして、大学生としては、「できるかどうか、やってみたい。」というのはあったみたいだ。それが数学でできたというのもよかったね。
学年末テスト前には、渡は、本当に緊張して、1週間ほど夜もなかなか眠つけず、大きな声で独り言を言ったりしてました。
とにかく、数学終わって、静かに良く寝てくれるだろうから、眠れます。私も...(笑)