卒論の話で思い出した出来事。当時はインターネットがそこそこ普及し始め、学校内にもPCルームがたくさん設置され、学生たちが自由に使える環境にありました。でも私はインターネットというものが未知の世界だったので、とても怖いものだと感じ、ずっと避けていました。卒論では遠くの土地のことを調べていたので、その土地に何度も出向いて知らない人にアンケートをお願いしたりとか、けっこう面倒なことをやっていたんだけど、知人に「ネットを使ったら便利だよ」と勧められました。でも私は怖かったので拒否し、一度もネットを利用せずに卒論を終えました。だけどその直後、初めてインターネットをやってみたのです。こんなに便利なものがあったとは!怖がらずにもっと早く利用していればよかった…と後悔したりして。ところで、あれほど拒否していたネットをついに始めることになったのは、ある出来事がキッカケでした。同じ学科の学年は一つ下で顔見知り程度の男子学生(Y君)が作成しているHPに、私の事が書かれている…という噂を耳にしました。それを知って非常に気になったので、パソコンに詳しい人に教えてもらいながら初めてネットを操作し、そしてY君のHPに辿り着きました。読んでみると、「Sさん」という人の行動について書かれていました。実名こそ伏せてあるものの、明らかにSさん=私のことでした。誹謗中傷的な内容では無いのですが・・・。単に私の日頃の行動をつらつらと書いてあるだけでした。Sさん(私)の今日の服装とか、何を食べていたとか、廊下で転んでいたとか。いったい何が面白いんだか。。。って言いたくなるような、どうでもいい内容ばかりで…実害が無いので放っておこうとも思いましたが、ちょっと不快だったので一応本人に注意すると、勝手に書いたことを私に謝った上で、何故そのようなことを書いていたのか説明してくれました。「実は僕の友達の間では、しーさんって有名人なんですよ。行動がちょっと変わってて・・・。悪い意味じゃないですよ。あの人面白いから観察しようって話になったので」と言われて驚きました。そんな、観察されていたなんて気付かなかった。しかも面白くないしっ。私は当時、毎日同じ色の服を来ていました。同じ系統の色で統一すると落ち着くんです。こだわりでしょうか。そして昼食は、学食で毎日同じメニューを注文していました。売れ切れている場合は、少し離れた所にある他学部のキャンパスの学食に行って、そこで同じメニューを注文しました。他の物は滅多に食べません。これもこだわりですね。でも当時は「こだわり」という意識は無くて、ただ好きな服を着て、好きなものを食べている、という感覚でした。でも他人から見ると、毎日同じ色の服を着て毎日同じ物を食べているのは、「普通じゃない」と思われていたのでしょうか。それと私は、よく転びます。何もない平坦な道でも転びます。たぶん平衡感覚が弱いせいなのかな~と思います。また、椅子の無い所に、(あると思いこんで)座ろうとして派手にコケることもよくあります。こういうのは私はもう慣れている事なのでなんとも思ってないのですが、彼らにとってはツボだったらしく「一人コントを見てるようで和んだ」と言ってました。とにかく私が驚いたのは、私が「変わってる人」と見られていたことです。私が他の人とちょっと違うのは昔から自覚あります。でも大学には色んな人がいるので、「これが普通」「これは変だ」と決めつける風潮が無いように感じていました。だから私は大学では素のままでいられました。なのに、素のままの私は、やっぱり変だったんだ・・・と、卒業目前にしていまさら気付きました。でもこの場合、変わっているところを好意的に捉えて貰えていたようなので良かったと思ってます。