ある県立高校にて医療相談会を担当。昨年開校した単位制による通信制課程のある県立高校。学校案内には「不登校だった生徒・夢に向かって挑戦する生徒・誠実に努力する生徒を応援します」と書かれています。学習や対人関係・社会適応に課題のある生徒も多く、対応が困難な場合も増えてきており、今回保護者と生徒を対象に「専門医による個別相談会」が開催されることになったということです。診療室では、日頃は中学校年齢まで(15歳以下)を対象に診療しているのですが、今回高校生以上の生徒さんや保護者の方たちと相談する中で、やはり青年期特有の問題や二次障害の問題の大きさを改めて感じました。発達障害かどうかの診断を初めて求めて相談に来られた保護者もありましたが、二次的な問題の方がすでに大きくなってしまっていて、緊急の医療受診をお勧めしたケースもありました。抱えている問題の深刻さに正直驚きましたし、相談ケースのほとんどで、十分な医療ケアやサポートを受けていらっしゃらないということもまた大きな課題なのではないかとも思いました。発達障害の生徒を受け入れる高等教育の場は増えてきていますが、様々な問題に対応できるスキルが学校にも求められると思います。相談会を終えて、医療の必要な生徒さんのフォローなどについて、今後医療側に求められる役割もますます大きくなってくるのだろうと思ったことでした。