ひねくれた独り言

20
Nice!

何と言うか・・・独り言ですけど・・・最近、話題になっている、世界的な某ピアノコンクールで優勝したT氏のこと。本当に素晴らしい演奏で久しぶりに「心が震える」音楽を聞かせていただいたな~と思うのですが。彼のニュースを報じる時、必ず、「全盲のピアニスト」と、必ず「全盲の」という枕詞的に始めに付けてるんですけど、失礼じゃないですか?彼は全盲だから優勝したわけじゃありませんよ。おまけに障害者のコンクールだったわけでもない。「日本人青年、コンクールで優勝! 素晴らしい演奏で観客を魅了し、 このコンクールでは日本人初の優勝です。 ちなみに彼は生まれながら全盲ということです。」という紹介でいいんじゃないですか?素晴らしい演奏でコンクールで優勝した方がたまたま全盲であった、と言うだけなはずなのに。おまけに、彼を育てたご両親に話が及び、もちろん、とても愛情込めて、才能を見出し、一流に育てる、というのは大変なことではあり、彼のご両親はとても尊敬するに値する方々だと思うのですが・・・「障害のあるお子さんを育てる親御さんは見習って・・・」とか、「目の見えない方は耳が発達しているものだから・・」などと決め付けたり、(必ずしもそのような方が彼のような音感を持っているわけではない)おまけに・・・「もし、一度だけ見えることが出来たら 何を見たいですか?」などと言う質問を彼に投げかけたり・・・何だか、上から目線で報道されているような気がしてちょっと腹が立つのは、まあ、おそらく、私がひねくれた人間だからでしょう。彼はどんな質問にも真摯に丁寧にしっかりと答えていて人間としてもとても素晴らしい方でしたから、きっと、私みたいにひねくれて感じることなどないのでしょう。そして、おそらく、ご両親も。だけど、どうしても彼の栄光に必ず「全盲」と付けるのはどうにも納得できないのです。彼は、今までもコンサートをし、CDを出し、プロの演奏家として活動していたのですから。「お涙ちょうだい」的なストーリー好きな日本人の浅ましさを感じてしまうのは私だけでしょうか?どうしてストレートに「素晴らしい演奏そのものだけ」に注目出来ないのでしょうかね。