記憶力の不思議。その2

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Nice!

常に覚えているわけではなく普段は全く忘れているのに、他人の昔のエピソードを聞くと、当時の自分のエピソードが詳細に思い出されることがあるのです。どういうことかといいますと、例えばこんなことです。このまえ知人とお話していたときのこと。その人が、「うちの娘は**年前の×月×日に生まれて、その日は凄く暑くて・・・」という思い出話をしていて、それを聞いた瞬間に私は、「**年前の×月×日と言えば、私はその日、池袋で買い物をした。確かに暑い日だった。お昼はパスタを食べた。私は紺のスカートを着ていた。帰りにデパ地下でシュークリーム買った。」とか、どうでもいい自分の思い出話が次々と頭に浮かんだのです。知人にとっては我が子誕生の特別な日だからその日の詳細を覚えているんでしょうけど、私にとって何の思い入れもない日なのに、その日のことを詳細に記憶しているのです。こんな私の記憶力はどうやら普通ではないようだ、と気づいたのは、大人になってからです。これって脳がどういう仕組みになっているのか、自分でも分かりません。でもよくあることなのです。他人のエピソードの中で昔の日付が出てくると、その日付に反応して、当時の自分の周りで起こった出来事の映像が、ビデオのように頭の中で流れるのです。だから服装や天気や細かいエピソードまでも思い出せます。それが嬉しい出来事だったり、どうでもいい小さな出来事なら問題ないのですが、悲しい、つらい出来事だったら、フラッシュバックを起こすこともあります。普段何気なくテレビを見ていても、テレビの中の誰かが「**年前の○月○日に・・・」と昔話を始めると、その人と何の関係も無い私の記憶までもが**年前の○月○日に戻ってしまうのです。おちおちテレビも見てられません(見てるけど)以前、こういった話を記事にした時、「その超人的な記憶力を何かに生かせばいいのでは」とアドバイス頂いたのですが、もっと早く(若いころに)そうしておけばよかったものの、今更何かに生かせる方法なんて見つけられません。今はただ、この異常な記憶力が邪魔なだけです。