中学校の健康診断で怖がってパニックしたらしくて、心電図がとれませんでしたと連絡があった。NICUに名指しで電話してくるもんだからてっきり痙攣でもおこしたかと身構えた。そういう業務連絡は連絡帳にでも書いておいてくれよと思った。 勤務先の機械を借りて取ることにした。紙に「心電図1.上着を脱ぎます2.ベッドに寝ます3.手足に4本つけます4.胸に6本つけます5.2分待ちます6.はずしてもらいます 」とプリントアウトした。ネットで拾ってきた心電図のイラストもつけた。「いつにする?」と聞いたら「土曜日」と言うので、「5月24日14時」と手書きで書き加えて、食卓の息子の目の前に貼り付けた。息子は見たくはないが外して捨てる度胸も無しというふうで、ちらちらと横目に見ていた。それから数日間、ぶつぶつとこの手順を唱えていた様子だった。「I模型店に寄る」とか自分で付け加えていたらしい。当日は時間どおりにやってきて、処置室のストレッチャーに上着を脱いで寝た。電極は「自分で付ける」と言うので手足は付けさせた。胸部電極は決まった場所があるので私がつけた。記録中は妻の時計を目の前にもって秒読みをしていた。ぶるぶる震えるから筋電図が入る入る。それでもいちおう読めるだけの記録ができたので成功とした。帰りにはI模型店に寄ったらしい。