うちの殿様、ひどいわけではないけど、二、三日前から咳をする。まったく熱はなく咳だけの症状。病院で診てもらいたいけど、インフルエンザを貰いそうで躊躇中。そこで”トローチ”を嘗めさせようと思いついた。しかしトローチのような未知の物体を殿が受け入れる筈はない。が、ものは試し。とチャレンジしてみる。まず、1/4大に砕いたトローチを殿父が嘗め、舌の上にのせて殿に見せる。残った 1/4を殿の鼻に近づけ嗅がせてみる。殿は 「うっ」 と声をあげ、体をのけ反らせて拒否る。で、作戦変更。殿が咳をする度に 「あっ、咳。 病院に行きましょう!」 と言う殿父に、殿は首を横に振り、嫌がる。 その繰り返し。押し問答をしばらく続けた後殿父がトローチを指さして「 くすり と 病院、どっちにする?」と聞くと、仕方なさそうに殿は「クスリ」とつぶやき、トローチを選択してくれた。(殿、ゴメンよー)トローチをいったんは口に入れるものの味が気にいらないのか、殿はすぐに吐き出してしまう。もう一度、口に入れてみるが上手に嘗めることが出来ない様子。( ”なめる” を教えるって意外と難しい・・・)今度はトローチを手に取り、ペロペロさせてみるが、やはり苦手のようだった。よく考えてみると、殿はこれまでに飴玉やキャンディーを嘗めた経験がない。(以前はご飯粒や雑魚は10分くらい嘗め続けたことがあったけれど・・・)[ 口の中で、なめ続ける ]ということを忘れている現実に今更ながら驚いた。殿の大好きな味、例えば納豆や鯖缶のような味のトローチなら嘗め続けられたのだろうか?でもまあ、最初はこんなもんでしょう。殿よ、よく頑張りました嫌な思いをさせて御免ねゴメンねごめんねー