以前にも記事にしたがMRIの検査をきっかけにパニック障害を発症した。ま、簡単に言えば「閉所恐怖症」である。医師によると、私の程度は「軽度」らしいので、本当に大変苦しんでいらっしゃる方から見たらまだいい方なのかもしれないけど。MRIは経験のある方はわかると思うが、土管のような筒状のところに入れられて体の断層画像を撮影するのだ。卵巣嚢腫の手術の際にMRIを受けたのだが、あの「土管」の中に足から次第に入っていくと、私は体中から変な汗を噴出し、しかし、唇は冷たくなっていくのがわかった。そして息が出来なくなり、激しい動悸がし、死んでしまいそうに苦しくなった。結局、MRIは受けられなかった。MRIの技師さんの方が恐縮して、「いいんですよ、こういう風になる方って結構いるんです。 こういう機械の方がおかしいんですよ。 恐ろしくなって当然ですから、気にしないでくださいね」と、言ってくださって、余計に申し訳なかった。閉所恐怖症に関しては思い起こせば幼い頃からその片鱗はあった。おそらく幼稚園くらいの頃に、近所の家族とあるデパートに出かけたとき、幼馴染の男の子がエレベーターのドアに手を挟めた。当時のエレベーターのドアは二枚の扉がスライドして開く。その扉が重なる部分に手を挟めてしまい、エレベーターが止まってしまった。昔のエレベーターだし、普通に動いていてもかなり揺れてそれだけでも怖かったのに、エレベーター自体が止まってしまい、かなりの時間、動かなかった。その後の記憶はないのだが、それ以来、20歳頃までエレベーターには乗れなくなった。乗れるようになってからも、いつも恐怖でいっぱいだった。ひとりのときは絶対に乗らなかった。エレベーターは誰かと一緒のときじゃないと、絶対に乗れなかった。しかし、MRIでのことがあってから、再びエレベーターは乗れなくなった。手術で麻酔が切れても、しばらくは酸素マスクをされているのだが、その、酸素マスク自体にパニクって、外してもらったり。元々、人ごみや長蛇の列が苦手だったが、満員電車やあふれかえる人ごみはMRIの時のように、息苦しくなり呼吸が出来なくなり、全身冷や汗で貧血のようになる。風邪で鼻が詰まって夜中に息苦しくなったときも。とあるお店の古くて狭いトイレに入ったときも。「ま、パニック障害でしょうね~ でも、あまり気にしないほうがいいですよ~ そういう時のために、飴とかガムとか口にして、 気を紛らしたりして、落ち着かせるのが一番です」うう~ん・・・なるほど。でも、そういうのって予期せぬときに突然なるのだから必ず飴とかガムとか持ち合わせてるとも限らないし。先日、ある方のお見舞いに病院へ行った。いつも通っている病院だが、5年前に新しくなった病院で病棟に行くのは初めてだった。3階の○号室・・・・・。・・・?あれ?階段が無い?看護士さんに聞いてみた。「あの、病棟はどこですか?」「あ・・・こちらです」と、案内されたのはエレベーター。・・・え?「あ、どうぞ~」と、ちょうど、ドアが閉まる瞬間に背中を押されてエレベーターに押し込まれた。ま、中に2人いて、何とか無事に3階にたどり着いた。まずは帰りのために階段を探した。ない!どこを探しても階段が見つからない・・・・・!!!もしかして、病室に行くのに一般の人はエレベーターでしか行けないのか?どどどどどどうしよう・・・そのあと、知り合いの病室にたどり着いて、病室の白い壁に囲まれていたら・・・来た・・・・。冷や汗、貧血、息苦しさ・・・・・。病室を出て、廊下のソファで休んで落ち着かせた。タイムラグで、パニクッた・・・。これは、マズイ・・・帰りのエレベーターで・・・また、来る・・・飴かガム・・・バックの中を探す。おおお!飴が一個!奇跡の飴だ!これがあるだけでも、大丈夫のような気がする。単純な性格でよかった・・・作戦としては、エレベーター内で余計なことを考えないようにエレベーターに入ってから飴の包み紙を開けて食べよう!そうこうしているうちに、1階に着くだろう。~作戦成功~今、私のバックの中には、飴、ガム、フリスク、グミでいっぱい。小学生の遠足のリュック状態です。