「適応」という視点(8)

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Nice!

前回の記事からかなり間があいてしまいましたが、自閉症療育と「適応」という考え方についてのシリーズ記事の続きを書きたいと思います。私たちが「問題行動」とか「こだわり行動」としてネガティブにとらえがちな自閉症児の行動の多くは、実は部分最適行動としての「適応状態」であることが多いと考えられます。これは、このシリーズ記事の最初のほうで書いていた、障害によって現れる行動を「適応」としてとらえる、という考え方の中心になる視点です。さて、このような「部分最適」の状態にはまって固定化されてしまった自閉症児の行動パターンを変化させ、「全体最適」に移行させるためには、外部からの働きかけが必要になります。つまり、固定化された「部分最適」の行動パターンを崩し、「全体最適」の行動パターンにたどり着けるように、外部の力(つまり私たちの働きかけ)によって、誘導することが求められるわけです。tekio4b.gif