心の中の風船

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Nice!

最近、のび太は「パニクっちゃった」という表現をする。「交通安全教室でボクが自転車で先頭だったとき、 進むコースがわからなくなって、パニクっちゃった」といった感じ。のび太は最近、激しいパニックはほとんどない。小さいのはまだしょっちゅうだけど(汗)自分で気持ちをコントロールしようと頑張っているし、それができるようになっているのがよくわかる。でも、親としては、頑張り過ぎなくていい、無理に気持ちを押さえ込まなくてもいいんだよ、なんて、我慢しているのび太を見て切なく思ったりする。「パニクっちゃうってどんな気持ち?」と聞いてみた。「どうしたらいいかわからなくなって、 心が爆発しそうになる気持ち。 えっと、ほら、風船がいっぱい空気が入りすぎて バンッて割れるときみたいな・・・ 心の中の風船に嫌な言葉とかが入ってどんどん膨らんで 爆発しそうになるのかな〜」心の中の風船か・・・。初めてパニックの時のことを聞いて、胸が痛かった。「学校でパニクっちゃうことって、よくあるの?」「時々ある。でもすごく我慢してる。 どうしても我慢できないときは泣くときもあるけど。」「そうなんだ。我慢しないで職員室とか保健室とかで いっぱい泣いてもいいんだよ。」「うん。でも、もう4年生だしさ〜・・・」「4年生だって大人だって 泣きたいときは誰でもあるんだよ。 我慢するとすごく苦しいじゃない?」「うん、すごく苦しい。 頭が壊れそうに苦しくなる。」「だからね、我慢することだけが偉いわけじゃないんだよ。 『嫌だ』っていう気持ちをちゃんと表して、 いっぱい泣いたっていいんだよ。」「うん・・・。でも、我慢しちゃうかも。」「じゃあさ、おうちに帰ったら我慢しないで、 学校でパニクった気持ちを吐き出したほうがいいんだよ。」「うん。でも、家に帰ると やりたいことがいっぱいあるから忘れちゃうんだよなぁ〜」文章にすると饒舌に感じるでしょうが、実際ののび太の言葉は、たどたどしくて考えながら、言いなおしながら、一生懸命、話してくれています。なかなか「気持ち」を表現することが難しいのび太。そんなのび太が「パニくる気持ち」を初めて教えてくれました。私も同じだった。小さいころからパニックを我慢することだけを考えて、気持ちを押し殺していた。本当に吐いたり、動悸で呼吸が出来なくなったり、貧血みたいになったりもするのだ。「お母さんも同じように苦しくなって・・・」って言ったものの、その回避方法も対処法もアドバイスできない、未熟な母なのです。情けない。私が出来るのはのび太の心の風船が、いつも心地よく空に向かっていられますように・・・と、祈るばかり・・・