最近、生意気な口をきくようになったのび太。「この前○○って言ったよね?」
「知ーらんぺ〜!」(この抑揚がムカつく)またある日、
「のび太、ちっちゃい時、 ○○したんだよ〜覚えてる?」
「はぁ〜
何それぇ
覚えてるわけないしぃ
」(どうしてそのムカつく抑揚なの?)またまたある日、
「のび太、○○なんだからね!」
「知ってますぅ
だぁ
」
「知ってるだけじゃダメなんだよ!ちゃんとやらないと・・・」
「だぁーかぁーらぁー!わかってるって言ってるでしょ〜
」くぅぅぅぅ〜!!!!!むかぁ〜!!!!!!!!なんてナマイキな口のきき方?!あるとき、あまりにも度を越したナマイキ口調に私の怒りは爆発した。
「どうして最近そういうナマイキな言い方ばっかりなの?! いい加減にしろ!!!」
「・・・ぅ・・・ぁ・・・ごめんなさい・・・」そう。のび太は叱責や強く主張されることにめっちゃ弱い。たとえば、のび太が「盗みはいけない」ともっともな事を言ったことに対し、「違う!盗んでもいいんだ!」と強く主張されたら、きっとのび太はそのときから「盗みはいいこと」と主張しだすかもしれない。それほど打たれ弱いのだ。だから叱るときにも頭ごなしに叱っては、気持ちが萎縮してしまうだけなのだ。何故いけないことなのか、ちゃんと説明しなければ叱る意味はない。はぁ〜・・・冷静に説明せよ!母として・・・。
「あのね、のび太がお母さんに何か聞いた時、 お母さんが『はぁ〜
何それ
知るわけないし』 って言ったら、どんな気持ちかな?」
「嫌な気持ちになるのかな?」
「そりゃ、なるでしょう? じゃあ、お友達に言われたらどんな気持ち?」
「言われたこと、ある」
「どんな気持ちだった?」
「わかんない。 別に嫌な気持ちにはならなかった。」
「え?」
「だって、みんなこんな風に話してるし・・・」そうなのだ。のび太があんな受け答えをするのはお友達の真似でしかないのだ。みんなお互いにあんな感じの冷たいナマイキな言い方で会話しているんだ。ま、そういうお年頃だし、仕方がない。そういう言い方をして、嫌な気持ちになったり、嫌な気持ちにさせたりして、学習して成長していくんだと思う。ただ、のび太はあんな冷たい言い方をされても特に嫌な気持ちにはならないのだ。だから、相手に言ったときに相手がどう思うかも、理解できないかもしれない。だったら、家族が教えていかなければいけないだろう。しかし・・・あああ・・・のび太が、あの、1年生くらいまでろくに会話も出来なかったのび太が・・・たどたどしい話し方で、いつまでも幼い雰囲気をかもし出していたのび太が・・・イッチョ前に生意気な口をきいている・・・これはある意味、成長段階として喜ぶべきか、それとも嘆くべきか・・・母の気持ちも揺れるのであった。