クラシック2題

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Nice!

当直明けに、ケーブルテレビの再放送を録画してあった「のだめカンタービレ」第5話を見ていたら、オーケストラの演奏中のホールに主人公が着ぐるみ姿で駆け込むシーンがあって、もと吹奏楽部員の夫婦ふたりでのけぞってしまった。なんじゃああこりゃああ、と松田優作風に。演奏中にあれをやられて一糸乱れないってのは凄いオーケストラだなとは思ったが。私なんか外来診療中に電話がかかってくるだけでペースが乱れてしまうのに。

原作ではちゃんと間に合って最初から聞いてるよというのが妻の言。だってのだめはあの直後にラフマニノフのピアノ協奏曲の二番を弾き通すんだから、最初から聞いてないと楽譜の読めない彼女には無理じゃないかと。あんなバカをするから、のだめのせいでマナーの悪いにわかクラシックファンが増えたなんて言われるんだと。常識を無視してる以前に原作の読み込みも足りないってことか。テレビの奴ら漫画をも舐めてないか?いや医療を舐めてるってのはよく知ってるけどね。

和むつもりが険悪になってしまったので、妻がもう一つの録画を出してくれた。これは実際の演奏会で、マーラーの交響曲の8番だった。「千人」は聞いたことはあるが見たのは初めてだ。いや画像的には迫力満点ですね。じっさいのところ何人いるのかは日本野鳥の会のひとでもいないとよく分らないけれども。音楽としては、正直なところ私の理解の限度を超えている。まとまった一つの曲だとすら、今ひとつ納得できないでいる。ほんとうに千人も出す必然性があるのかどうかも。興行的な趣向で「千人でやってみたかった」みたいな24時間テレビ的な乗りだったのかもしれないね、なんて素人コメントをしてみたり。でも最後に聞いたのは20年ほども前なのに、それでも曲のかなりの部分が記憶に残ってた辺りは、さすがマーラーだと思った、とフォローしておく。