自閉症の子は、言われるまでもなく、うまく周囲とコミュニケーションがとれないよね。
まあ、コミュニケーションの問題もあるけれど、なにか将来タンコロにとって、役に立ちそうなことはないのかな、と思って、毎日タンコロを見つめています。
出来ること、好きなことはいっぱいあるよ。
バスケが好きで、シュートは見事なモンだし、バスケ部の顧問の先生によれは、その辺の6年生よりうまいよ、と言ってくれてる。
泳ぎも、クロールで25M泳いじゃうし、マラソンも早くはないけれど、いつまでも泳ぐし、走るし、スタミナな底なしかも知れないな。
車も大好き。国産車だったらメーカーの社名は、ほとんど言い当てるし、電車も大好き。
去年のクリスマスプレゼントには、乗り物百科事典を買ってやったんで、電車・車好きは高じて、線路マップまで好きになってくれないかな、という思いがあったんだ。
電車好きで、それが大きくなって、地理好きになってしまい、目を見張るような子も目の当たりにしたし、タンコロもひょっとして・・・と思ったんだ。
それにタンコロは、音楽好き。
ボクの好きな甲斐バンドの曲はもちろん、仮面ライダーの歌などHEROモノの曲も良く聴いてるし、歌ってるよ。
当初は、ステレオでCDをかけてやってたんだけれど、いつのまにかタンコロは自分でCDの操作を覚えてしまい、家にいればいつでも聴いてるという状態になったんだ。
思い出してみれば、タンコロが幼稚園の卒園を向かえて頃、PTAの出し物として秋桜が鍵盤楽器を演奏しなくちゃいけないことになって、なくなく高い鍵盤楽器を買ってやったことがあった。
秋桜は一生懸命練習して、見事に卒園式で演奏したけれど、その演奏に興味を持ったのか、タンコロは卒園後、オモチャの鍵盤楽器をひくことが多くなったんだ。
あんまり演奏しすぎて、そのおもちゃは壊れちゃったんだけれど、秋桜の演奏した鍵盤楽器はそのままホコリを被っていたものの、まだ演奏するには大丈夫の状態だったらしい。
これを使わない手はないなと思い、今晩、楽器の常態チェックをし、明日から秋桜の手解きのもと、タンコロに演奏を教えようということにしたんだ。
ボクは楽器音痴なんで、知恵はだしたものの、ボクには教えられない。
だから秋桜の出番なんだよね。
なんでも、音楽、特に楽器の演奏は障害児には療養に役立つらしいという話は、どこかで聴いたことがあるんだ。
とある自閉症の女の子が、小6のときピアノを始め、それがグングンうまくなって、3年後にはピアノを通してコミュニケーションがとれるところまで行ったそうなんだ。
まずはタンコロが興味を持って、楽器を演奏することが好きになるかどうかが問題なんだけれど、それにしても時間は必要だろうね。
嫌がってる状態で、教え込もうとは思わないけれど、逆に好きになったら上達は早いかもしれなないな。
音感はいいし、リズム感もいい。
音楽に乗せた踊りも好きみたいだし、期待してもいいのかなあ、と思ってるんだ。
人にはどうしても得手不得手があるよね。そこに自閉症という障碍を持ってるんだから、得手分野で好きなもの、興味を持ったものにチャレンジして、その個性を伸ばしてやろうということなんだけれどね。