定型発達者は感情への対応優先の会話を好む

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Nice!

アスペルガー者と定型発達者では基本的な会話の指向性が違うのではないかと私は思う。

さて、

「他者と私とAS(アスペルガー症候群)」のしろさんがお母様と会話が続かないという話をされていた。とても端的な例だと思うので少し引用する。

私と母の例で言えば、
母「疲れた」
私「寝れば?」

母「頭痛い」
私「薬飲めば?」

母「忙しい」
私「仕事減らせば?」

こんな感じです。

こういうとき「大丈夫?」と声をかければ、「うん、なんとか」等と会話が続くそうなのですが、私のような返事の仕方だと、母は「言ってることは正しいんだけど、会話が止まってしまう」と言っていました。

会話が止まってしまうとどういう不都合があるのか、私には分からないのですが、定型発達の人々はこういう雑談を好むようです。

この辺のかみあわなさは定型発達者が感情への対応優先で会話することを欲し、アスペルガー者が問題への合理的対応優先で考えて回答することによるものである。

さて例で説明しよう。

私は持病の掌蹠膿疱症性骨関節炎がひどくなると起きているのがしんどくなる時がある
こんな時の息子と私の会話は以下のようになる。

たしか半月くらい前の夕刻の実際にあった会話そのまんまである。

【例1】==========================

私  「肩が痛くなってきたから薬飲んでしばらく寝る!」

息子 「晩飯は?」

私  「米は炊いてある、後は○○の材料があるからタヌキと相談して適当に作って食え」

息子 「あんた晩飯は?」

私  「後でなんとでもするから用意せんでいい、あんたらだけ作って食べな」

息子 「わかった」

私  「んじゃね」 退出

=============================

定型発達の人から見たら味も素っ気もない会話かもしれないが、これで我が家は問題なく動いている。

別に息子が冷たいとも思わない。私にとってはこの手の対応の方が気軽である。
ここで1発目に息子に

万一「大丈夫?」なんて言われようものなら、

「大丈夫じゃないから寝るって言ってるんだ!下らんこと抜かすな!」と切れるだろう。

「晩飯は?」の質問は合理的なのでOK。
確かにどうするか決めておかねばいけないことだからだ。

「あんたの晩飯は?」も合理的なのでOK。
何人前つくるのかに必要な情報だ。

となる。

が、これを定型発達者相手にやると

「大丈夫?のひと言くらい言ったら!!」
「人の痛みより夕ご飯なわけ!」
「人が痛みで苦しんでるときに神経逆撫でして!!」

となることうけあいである。

というわけで、定型発達者の場合での理想的な?会話はというと…

【例2】===========================

A「肩が痛くなってきたわ〜」

B「大丈夫?」

A「うーん、今日はかなりしんどいわ」

B「薬飲んだ方がいいんじゃない?」

A「うん、そうする。ちょっと薬効くまで休んでてもいいかな」

B「うん、休んでて、晩ご飯適当に見つくろってつくっておくから心配しなくていいよ」

A「ありがとう、先に食べちゃっていいからね」

==============================

定型的には癒される会話とでもいうのだろう。
完全に感情対応が解決より優先されている。
(というか解決までのスピードは【例1】よりちんたらしている。)

しかしこっちの方が一般的らしい。

が、【例2】にはアスペルガーな私は随所に突っ込みを入れたくなる。

1、「痛い」だけ言ってもしかたないだろう。「だからどーした」と言いたくなる
2.薬飲むべき状態かどうかは自分が一番よく知っているのでいちいち口出しして欲しくない。大体、自分でとっとと判断すべきことだ。
3.いちいち許可とらなきゃしんどくても休ませてくれない家族なのか?
4.冷蔵庫の中身を勝手に漁られてとんでもない材料が余るのは困る。
5、身体がしんどい人間に「ありがとう」を言わせるなど余計な気を遣わせるな。

とか言いたくなるわけだ。
この辺が感覚の違いとでもいうのだろう。

正直なところ、【例1】息子の対応は私にとってはベストだ。
ちなみにうちのタヌキ(亭主)も同様の対応をする。。

はじめに「寝るぞ」宣言して、安心してあとの対処を任せられる方が私にとっては楽だし安心である。

ちなみに私が万が一にでも(まあやらないけど)、

「肩が痛くなってきた」

だけで会話をスタートしようしたら、うちの家族はたぶん無視するだろうし、下手をするとタヌキ(亭主)あたりは。

「だから何なんだ?ぐだぐだ言わずに晩飯早くしろ!」と怒りだすだろう。

(それは「どうするかは自分で判断するだろう」ということで信頼されている証であるとも思う。そういう信頼関係もあるのだな、はは。)

かくて家中アスペルガー者だらけだとなにも問題が起こらないが、家の中に定型発達者とアスペルガー者が混在する場合は、こういった違いを理解しておかないと、どちらにもストレスがかかるということになるわけだ。

おっと家中アスペだらけ?でやはり問題の生じていない例をちょうど「あろえよーぐると」のぴーまんさんが出してくれているのでそちらにもリンクを貼っておこう。
https://soudayo.cocolog-nifty.com/dayo/2007/12/post_9258.html

しかし、外でどちらがどちらに合わせるかというのもまた問題だ。

残念ながら、全ての人にアスペルガー者の思考法を理解してもらうのは無理だからして、必然的にアスペルガー者の方が定型発達者の発想に配慮した方が無難だろうとは思う。

配慮っていうとどっちが障害なんかわからなくなる気もするが…
定型発達者はアスペルガー者から見ると非常にナイーブで傷つきやすいようにも思える。


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