認めてもらえる喜び

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Nice!

私は子供はのび太ひとりしか産んでないし、
のび太しか育てたことがない。

で、のび太は5歳ころまでは典型的な自閉症だったから、
語弊があるかもしれないけど
私は「普通の子」を育てたことがないわけだ。

だから、友人が子育ての悩みを話しても、
的を得た言葉も返してあげられない。

私の現在の数少ない友人であり、ママ友達のAちゃん。

彼女とはのび太が1歳になったばかりのころ、
育児サークルで出会い、
今ものび太とAちゃんの息子Yくんが同じクラスという、
つながりがある。

もちろん、のび太のことも診断されたばかりのころに
彼女には話してある。

Y君は厳しく育てて、「自分のことは自分でしなさい」
がモットーで、
母ライオンがわざと子ライオンを崖から突き落とす、
かのように、接していた。
4歳のY君は、
うちに遊びに来ておやつを食べるときに、
おやつがこぼれないように手を添えて食べる姿を見て、
私は腰が抜けるほど驚いたことがある。

今でももちろん、しっかりもののYくんは、
きちんとしてるお子ちゃまなのだ。

でも、Aちゃんは
「Yは若いときの子供だったし、
 私も神経質に厳しく育てたかな〜って・・・。
 もっと大らかにいっぱい甘えさせてあげればよかったな〜」
と、振り返る。

で、5歳下の次男のKくんも、ゆったりのんびり育てたいと言う。

ちょっと発達が遅い気がするけど、ま、いっか〜・・・
って雰囲気で、確かにY君を育てていたときのAちゃんとは
別人のようだ。

しかし、Kくんが今年、幼稚園に入園したが、
言葉も遅いし、幼稚園でもほとんどしゃべらないらしく、
ますます発達の遅れが気になってきて、
保健センターの発達相談を受けたらしい。

部屋に入るなり、床にごろんと寝そべったKくんを見た相談員の人が、

「う〜ん。発達の遅れって言うよりも、
 きっと『もっと自分を見てほしい、受け入れてほしい』
 っていう不安があるんじゃないかな〜
 言いたいことがあっても
 受け入れてもらえない不安があって
 しゃべれなくなっている、ってこともあるかもしれませんよ。」

と言われたらしい。

「たとえば転んだら『痛くないよ〜』ってなだめないで、
 『痛かったね〜』って子供の気持ちを
 受け入れてあげてください。
 どんなに子供が間違っていることでも、はじめに
 『○○だったんだね』って抱きしめてあげてください」

・・・と。

そこで、彼女はガ〜ンと大きなショックを受けつつ、
私のことを思い出したらしい。

私は彼女と違って、厳しく育てたくても
言葉の通じないのび太に理解できるはずもなかった。

だから、Aちゃんみたいに母ライオンになれず、
子ライオンと同じ土俵に上がって、
育てていくしかなかった。

のび太が転んでパニくれば

「痛いね〜どこが痛いの?足?手?
 あ〜手が痛いんだ〜痛いね〜」

と、これが「痛い」って表現するんだよ、
って印象付けたくて、「痛いね〜」と、
何度ものび太側の気持ちで話しかけた。

これがかなりAちゃんの中でも印象的だったらしい。

それに、たとえば私が間違って水をこぼしたら
「のび太〜お母さん、お水こぼした〜
 どうしよう〜」

などと言って、のび太がこぼしたときのように
ウソ泣きしてみせる。

そうすると、のび太は自分がこぼしたときに私にしてもらったこと、
私がのび太に言ったことを真似して、私に言うのだ。

「大丈夫だよ〜こうやって拭けばいいんだよ〜
 誰でも失敗するんだよ〜気をつけようね〜」

そうやってのび太は、
失敗してもパニクらなくてもいいんだ、と言うことを、
教えてもらったことをもう一度、自分で再現しながら、
覚えていく。

Yくんが1年生の時、学校に行きたがらない時期があった。

そのときも彼女は

「ズル休みはいけません!」
と、ムリヤリ車に乗せて学校に連れて行ったらしい。

私は、と言えば

「え〜私はぁ〜『学校なんて、行きたくなかったら
 行かなくて良いよ〜辛いなら、ゆっくり休め〜』
 って言ってるよ〜」

と、Aちゃんに言ったら
「ええ〜!!!」と驚かれたこともある。

Aちゃん「のび太ママってすごいな〜って思ったけど、
 私にはできないって思ってた。
 のび太くんは障害があったから、特別なんだ、
 って見てきたけど違うよね。同じだよね。
 親がそうやって失敗すらも見せることで、
 きっと、安心して何でもさらけ出してくれるのかも、
 って思ったよ。」

Aちゃんは、自分の失敗なんて、
子供に見せることは絶対になかったらしい。

だから子供たちも家でも緊張していたんじゃないか、
と言うのだ。

Aちゃん「だから、のび太くんって、
 あんなに天真爛漫なんじゃないかな?」

・・・う〜ん・・・それはまた、違う問題のような気もするけど・・・

でも、きっと、子育てって障害があるなしに関わらず、
共通なんじゃないかな?

きっと、のび太に障害がなければスパルタママだったはず・・・

私ものび太に「受け入れる」ことの大切さを教えてもらった。

「普通の子育て」をしたことのない私でも
誰かが見ていてくれて、私のやり方を認めてくれたことに
ちょっと感激した出来事でした。


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