「傘」のさしどころ

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Nice!

ganymedさんと、ふわりんさんが「支援の傘」という表現をされている。

幼稚園や学校に障害を伝え、配慮をしていただいて、
おかげさまでここまで安定した気持ちで、成長できたのび太。

でも、それはあくまでも学校生活だけが「支援の傘」の下で、
それ以外の場所では好奇の目で見られることもよくある。

小さいころから、スーパーで見ず知らずのおばちゃんに、
「こんなことで泣くのは甘やかしてるからよ」と、
叱られたり、
幼稚園のころから、勝手に英語やローマ字を覚え、
それを叫びながらデパートを走るのび太に
「こんな小さいうちから英語なんか無理にさせてかわいそうに」
なんて、気の毒がられたり、
「自閉症って言えばなんでも許されると思ったら間違いよ」
と、思ってもいないことを言われたり・・・。

ganymedさんもおっしゃっていますが、
一歩外に出れば、矢のように非難めいた視線や言葉が、
私にものび太にも痛かった。

でも確かに、知的の遅れのないのび太みたいな自閉症の子は、
否が応でもフツーの社会に出て行かざるを得ない。

支援の傘などないところで生きていかねばならないのだ。

自閉症協会などで、
「目に見えないしょうがいがあります。」
といった、ワッペンなども作っているけれど、
知的な遅れのない子に、これをつけさせる勇気もないし、
ましてや本人が絶対につけたがらないだろう。

のび太は音楽教室に通っている。

私が元々、ここで講師をしていたこともあり、
レッスン内容もだいたいわかっている。

今も私も知っている先生方がいるし、
まっぷー先生の子供、って言う感じで気を使わせても嫌だし、
のび太の障害のことは話していない。

支援の傘のない世界をあえて与えてみた。

以前、のび太は秋になると精神的に調子を崩す、と記事にしました。

その理由がわかりました。

音楽教室ではこの時期、子供の作曲によるコンサートがあります。

私も仕事をしていたのでわかるのですが、
私は、曲作りの宿題は夏休みに出して、
夏休みが終わったら、クラスで発表して
どの曲をみんなで演奏するかを決めて、
アレンジして、コンサートの1ヶ月前には楽譜が完成して
暗譜で演奏できるように練習する・・・

といったスケジュールでした。

しかし、のび太の先生は準備が遅い。

11月半ばのコンサートなのに10月になって曲作り。
1ヶ月前になっても楽譜はおろか、曲も完成していない。
週に1度のレッスンなのに、2週間前に楽譜を渡されたり、
急にアレンジが変わったり、
それどころか10日前に曲自体が変更になったこともある。
そして、当然間に合わず、突然「明日○時に練習します」と来る。

この先生はずっと、こういう感じでやってきたんだろうけど、
それに対応している生徒たちもスゲー・・・

などと元同業者として感心したりする。

でも、でも、こういうことに気持ちがついていけないのが
のび太なのだ。

急に曲が変わったり、アレンジが変わったり、
急に明日、レッスンになったり・・・

そして、できなくて叱られる。

今年はなんか調子いいなあ・・・と思っていたのび太だったが、
ついに、ブルーが入ってきた・・・。

同業者としては、準備不足で生徒にしわ寄せが来るってのは
納得いかないのだが、
世の中、こういうことって多々ある。

社会勉強のつもりで、あえて「傘」を準備していなかったが、
このコンサートのせいで気持ちが辛くなるというのでは
話は別だなあ。

でも・・・・・。

普段もあまり一生懸命練習しているわけでもないのび太。

そろそろ音楽教室を続けるべきか、考え時かもしれない。

やっぱりここでも「傘」は必要なのか?

う〜ん・・・

親は「傘のさしどころ」も考える。

悩める秋ですな・・・。


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