講演会?自閉症支援で最も大切なこと〜TEACCHプログラムのコア・バリュー〜

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Nice!

コア・バリュー

訳すと「大切なこと、真髄」となります。

自閉症の人を支援するときに大切なこと、真髄=コア・バリューについて、講演の最後にメジボフ教授は熱心に語られました。

そのお話の中で、印象に残った言葉。

「自閉症の人を普通の人に近付けることが最終目標ではない。違いを認め受容し、本人たちが最も幸せな形で生活できるようにすることを目指すのです。」

今回の講演会に出席して、私が思ったことを書きます。

「楽くんて自閉症には見えないよ、大丈夫だよ、だんだん良くなって追いつくよ」

とよく言われます。

相手にまったく悪気がないのはわかっています…。

でも、そう言われるたびに、正直私の胸の中はスッキリとはしなかった。

いつか追いつく?

楽は…

遅れているんじゃない!

もともと違うんだ。

自閉症は遅れているわけでも、劣っているわけでもない。

ただ、違うだけ。

だから、その「違い」を知って下さい。

自閉症について正しく知って下さい。

お願いします。

「障害があってもなくても同じだよ。」

これもよく言われます。

私もそう思うこともあります。

だけどそれは、子どもを愛する気持ちに変わりはないことや、どんな子どもであっても幸せになって欲しいと願う親として普遍的に思うことであって、

楽は生まれつきの脳のしくみが私たちとは違っている=「自閉症である」ことは、いつも気に留めておかなければならないと、私は考えます。

私たちとは感じ方が違う楽の心と体。どう違うのか、何が不快で我慢ならないのか、それを自分の言葉でうまく表現さえ出来ないのだから、

楽が自閉症だということは、忘れてはいけないと思います。

自閉症という観念を捨てて楽を見つめる?

聞こえはいいけど、それじゃあ楽の困り感をわかってあげられない。

私は看護師をしていましたが、学校でも職場でも自閉症について知る機会はありませんでした。

自分の息子が自閉症かもしれないと思って初めて、本当のことを知りました。

今、時代は便利になって、インターネットで「自閉症」と打ち込み検索すれば、膨大な数の情報を目にすることが出来ます。

しかし、すべてが正しいとは限らない。

いまだに「自閉症とは身体的心理的社会的など様々な要因でなります…」と書かれている情報もあります。

このサプリメントで自閉症が治った!という情報も氾濫しています。

自閉症は生まれつきの脳の障害。

自閉症の研究において世界的にトップを行くアメリカノースカロライナ州のメジボフ教授のお話によれば、それは脳が形成される段階で既に違っているらしい、ということがわかっています。

「自閉症は治りません。」

メジボフ教授は、何度も繰り返しました。

だから、治すのではない。

知って、理解し、支援しながら共に生きて行くのだと。

自閉症の本人たちが最も幸せな形でいられるように。

それが楽にとってはどんな形なのか。

迷いや葛藤もあるけれど、

これから一緒に生きて行く中で、見つけていこうと思います。

私に大きな決意を与えてくれたこの講演会に出席することが出来て、本当に良かったと思いました。