脳のタイプの違い。

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Nice!

前回の続きのお話。

アスペ含む自閉症者は、他人の気持ちを表情から読み取ることが苦手です。

それに関係することが、以前紹介した本に載っていました。

あなたがあなたであるために 著/吉田友子 より

ある研究者の実験結果です。

被験者は「自閉症者」と「多数派(非自閉症者)」、それぞれ複数名。

両者にある人物の顔写真を見せ「この人はどんな気持ちか」ということを判断してもらいます。

その判断の際に、自閉症と多数派、それぞれ脳のどの場所が使われているのか。
それを脳の断面図に色別で表示されいる結果が載っていました。

この実験結果を見たとき、私は衝撃を受けました。
自閉症者と多数派は、使われている脳の場所が両者で全く違うということが、一目瞭然の結果だったのです。

活動している脳の場所が全く違うのだから、同じ物を見ても同じ考え方が出来ないのは当然なのです。

自閉症者は「人と違う世界が見えている」とよく言われますが、それがこの実験結果でよく分かりました。

具合の悪い人が側にいれば、多数派はすぐに気付き、その人を心配するでしょう。
でもそのとき私は、皆とは別の世界が見えています。だから皆と同じ行動が出来ないのです。

しかしそれを「変わってる人」「性格の悪い人」「意地悪な人」と言われてしまう。

私にそんな事を言った人達に、この実験結果を見せてやりたい気分です。

私はあなた達とは脳の仕組みがこんなに違う。
あなた達の脳が多数派ならば、私の脳は少数派。
好きで少数派を選んだわけじゃない。
生まれつきの脳のタイプなんだ。

けれど、脳の中身なんて、外見では分からないですからね。
自閉症者、特にアスペルガーは、見た目は普通の健常者。

私はこの実験結果を持ち歩いて、「私はアスペルガーです。脳の仕組みが人とは違うんです。だから人とは考え方が違うんです。具合の悪い人を見ても気付いてあげられないんです。これがその証拠です。」

・・と言えばいいのでしょうか。

そんなことできるわけありません。

アスペルガーという障害の難しさを一層強く感じました。