内定をいただいたのは、都内の大手企業でした。
就職氷河期と言われていた時代に、夢のようなお話です。
けれど大学受験という別の目的を持っている私は、内定を断る必要がありました。
けど内定を断って大学を目指したとしても、大学に合格する保証は全くないわけです。
ならば、このまま予定変更して内定先に就職するのも悪くない。
就職か、大学か。
かなり悩みました。
でも私は、大手企業に勤められるほどの能力が自分に備わっているとは思えませんでした。
既にアルバイト経験はいくつもありましたが、仕事でミスばかりしていました。
アルバイトすらこんな状態の私が、大手企業で仕事をすれば、間違いなく大失敗をしでかすでしょう。即クビかもしれません。
そんなことになれば、完全に負け組です。そんな恥ずかしい事は絶対に避けたい。
そういうわけで内定をお断りして、予定通り、大学を目指しました。
ちなみに私は短大時代からずっと、多くのアルバイトを経験しました。1日に複数掛け持ちしたりもしました。
親にも内緒で大学を目指していた私は、当然ながら、受験料や参考書費用などを自分で負担しなければならなかったからです。
短大にも通い、バイトもして、受験勉強もしなければならない。
同時に複数のことをするのが苦手な私には、かなり酷な状況でした。
それでも何とかこなすことが出来たのは、ある種の「こだわり」を持っていたからだと思います。
バカにした人を見返したい。凄いと言われたい。
他人に負けたくない。勝ちたい。
アスペルガーの人には勝つ事へのこだわりが強い人がいるそうです。
私がどんなに酷な状況でも、大学へ行く事に固執し続けたのは、「勝つ事へのこだわり」を強く持っていた為だと思います。
良くも悪くも、アスペの「こだわり」の力は凄いんです。