3月30日にツヨは初めての場所での短期入所一泊でした。
私がカレンダーにひらがなで書き込んだ翌日の予定を毎夕確認するツヨ。
『明日のぼくの予定は・・・』
カレンダーを確認して
『この間遊んだあそこで、明日は泊りか。』
と、気がせいている様子。
が、さすがに宿泊の荷物作りは少し難しい。
私に助けを求めてきます。
やはり強迫的な様子は多少あって、今すべき行動をこなすことでツヨの頭の中は
ときおり満杯になってしまいます。
食事の支度なども、メニューが分かると材料の出し入れから調理、
食器への盛り付けまで、ツヨは気がせいてちょいちょい指図してきます。
長期休みはずっと家事の手順を見張られているような感じなのです。
昼間、コトとあちこち用を足してへとへとになっていた私は、
夕食の準備やら何やらでちょっと余裕がなくなっていました。
そんなことにお構いなしに荷造り、ごはん、とせかしてくるツヨに
「ちょっとだけ待ってくれないかな。」
と思ってしまった。
自閉症やアスペルガーは人の気持ちをくむのが苦手。
どんなに私が疲れていても、忙しくても、それを察することはできません。
つねに自分中心なのです。それが障害だから。
けっこう空気は読めても相手の気持ちに合わせて
自分の出かたをコントロールすることができない、とでもいいましょうか。
人が自分をどう見ているかという社会性のフィルターを持っていない。
自分のフレームから見えるものがすべて。
脳の機能の問題なんだよなぁと分かっていても、たまにそれが苦しいなと思ってしまう。
性格はやさしくていい子なのに。本当に不思議な障害です。
その社会性のあるなしは自閉が軽いか重いかを指し示しているのかもしれません。
専門的なことはよくわかりませんが。
だから本人がちょっと相手の様子に気づけるか、歩み寄れるか否かが、
家族や周りの人を困惑させる度合に関わってくるのではないでしょうか。
アスペルガーなら
「こういう風に言ったほうがいいよ、したほうがいいよ。」
と伝えることによって少しは改善の余地があるかもしれません。
根本的には何も変わらなくても、
人によっては処世術みたいなものを身につけられる可能性があるので。
が、ツヨには成す術なし。
学校の長期休みは一緒にいる時間が長く、
いつもあまりろくな方向へいかないので要注意なのだった。
こうくるだろうと予測して
後手後手に回らないようにしよう。
ツヨに次の行動を確認・指図され続けて苦しくならないように。
ツヨの側からしたら必死なのだし。
さて荷造りができて、翌朝玄関を出る寸前のこと。
ツヨがハッとして真剣な顔で私にジェスチャーをしました。
『歯ブラシ、入れてない・・・!』
おー。本当だ!よく気づいたね。
ああ、そうなのだ。
ただ一生懸命なだけなのだ。
ツヨの真剣な様子を見て、そのあといろいろ考えさせられました。
どうしたらお互い気持ちよく過ごせるか。
昨今、施設での虐待の映像がテレビに流れたのを思い出しました。
社会性の欠如から生まれる軋轢によって、お互い苦しむケースがあったとしても、
大したことでなければいっそ対峙することをあきらめたり、
深入りしないでうまくスルーしたり、できるだけ相手の褒められる部分を探したり、
一日一日気持ちをリセットして根に持たない、などする工夫が必要です。
まちがっても叩いたり酷い言葉を浴びせたりしてはいけない。
何があっても体罰だけはだめ。
そうならないように、やってあげ過ぎない、自分のことは自分で完結できるように
家でも将来を見据えた支援をしていかなければと思います。
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この記事は書き上げるのに日数がかかってしまいました。
たくさんの方が見に来てくださるので、
できるだけきちんとした記事にしないとと思っています。
更新を待っていただいた皆さま、ありがとうございます。
いつも応援ありがとう