わかったひと~?
と聞くと、
とにかく
『はい!』
と手をあげてしまう
ツヨの素直さに心が洗われる。
そういえばコトがツヨのことを「純粋」と言っていたっけ。
「私は少し汚れちゃったけれどね。」と。
社会の人の中でもまれていくということは
良くも悪くもいろいろなことが分かっていくということ。
コトは中学校でまさかの剣道部に入り、暑い中、毎日厳しい練習に耐えています。
昨日、始めて部内の練習試合を見にいきました。
家ではエアコンの効いた部屋でのんびりしているのに、
暑い体育館で何時間も重い剣道着をつけていられるのをほめたら、
「人は耐えなくてはいけないところでは耐えられるんだよ。」
と。
試合は一回戦で負けてしまった。
どうしても、人を強く叩けない、らしい。
剣道で勝つには致命的なタイプ。
どうして剣道部に入ったの?と話をしていたら、
理由の一つにこんなものが。
将来、親が老いたり死んでしまったら、施設に入れるにせよ多少はツヨの面倒をみることになる。
その時に体力的にも精神的にも剣道で鍛えることは役に立つだろうと。
親の弱ったときの話なので遠慮がちに、でも明るく言っていました。
12歳なりにいろいろ考えています。
施設に毎月払うお金は私が払うのか
歯磨きはやってくれるのか
など、気になっていたようで確認してきました。
鋭いなぁ・・・
その二つは実際とても重要なこと。
年金がもらえるから大丈夫。
歯磨きはちゃんと職員さんがしてくれるよ、と伝えました。
今、コトにはツヨの面倒をみさせることはありません。
もともと面倒見のいいタイプではないし、
ツヨの世話は実際、子供には難しい。
将来はたまに食べ物を持って面会に行ってやってね、
とコトにはお願いしてあります。
重度の自閉症の場合、兄弟とすっかり関係がこじれてしまい、
大人になっても修復できないこともあるそうです。
純粋でかわいい
ツヨの良い部分に目がいってくれている今の状態を
保っていくことが、将来お互いに支えあう基本かもしれません。
コトだって、きっとツヨに支えられることはあるのですから。
読んでくれてありがとう