僕の患者さんで、日本人なんだけど、すごく頑張っている患者がいる。息子が多動の自閉症。お母さんは小さくて、一所懸命なんだよ。僕はあの家族は心配してるし、応援したいんだ。
と生前言ってくださっていた。なので、もういっぱいだった同僚の先生も渡の担当医として働いてくださることを決めてくださった。
その同僚の先生が現在の喘息の担当の先生。おじーちゃん先生です。いつもニコニコとおだかやかで、渡を一人の紳士と接してくださるので、渡も大好き。診ながら、
あぁー喘息だぁねぇ。渡。大丈夫だよ。薬を渡すよ。安心して。君は紳士でヒーローだからこの薬を飲めば、すぐにまた強くなれるよ。
とはげましながら、手遊びをくわえつつ、何度もほめながら、肺の雑音をはかったり酸素をはかったりしてくださった。
一通りの診察をしながらも渡の日常をも心配してくださっていて、
学校はどう?困ったことはない?プライベートでは?困ってない?
とまるで渡の本当のおじーちゃんのように、私にもいろいろ聞いてくださいました。私が
渡は毎日学校に楽しくかよっていて。お仕事のほうもしたいことが決まり、現在、データ入力のインターンをしている。たぶん、このままいくと彼は会計のアシスタントになるよ。
という話をしました。先生すごく喜ばれて、徐々に涙ぐまれました。
喘息を起こして生死をさまよったこともあります。脱走して、毎晩眠れず、どんどん私がやせていった10年間。何度、バスの運転手に重度喘息の渡がバスに乗るときの注意事項や配慮を書いてくださったでしょうか...。ほんと先生と二人三脚で渡の喘息を抑えながら大きくした感じです。
涙ぐまれながら、
すごいね。本当によかった。すごいね。渡。プロフェッショナルなんだね。僕はかなわないなー。
とジョークをいいながら看護婦さんにも報告。看護婦さんも拍手してくださって、みんなで涙ぐみ..。
ありがたい。こんな人たちに囲まれて成長できた渡は本当に幸せ者です。
ありがとうございます。
処方箋をいただき、年々高くなる薬代をセーブできるようにオフィスのあちこちから、薬のディスカウントクーポンをも集めてくださいました。
さて、渡。早く元気になって、またいろいろ出かけようね。