前回書いたとおり、私は不動産を買うときには、実際に現地に足を運び、物件をたくさん見て多くの業者の方と話し、買いたい物件やエリアについての「カン」みたいなものをしっかり身につけたうえで、物件を選ぶようにしています。もはや物件情報はみんなネットワークで共有されているから同じエリアに建ち並ぶ複数の業者をはしごしても意味がない、という意見もありますが、実際に動いてみるとこれはまったく正しくないことが分かります。同じエリアで同じ希望条件を伝えても、営業マンが勧めてくる物件が丸かぶりすることはほとんどなく、そこでどういった物件を案内してくるか、現場でどんな説明をしてくれるかといったことによって、営業マンのセンスや能力が分かったりします。そんなわけで、現地で実際に訪問・見学する物件の数はこれまでのどの不動産の購入の機会においても2桁に優に達し、だいたい最低でも20件ほどは現地で実際の物件を見ています。後述しますが、今回は買う物件が「建売住宅」→「土地」と途中で変わったこともあり、エリアの選択にも相当悩んだこともあって、建売と土地を両方足すと50件ほども現地を見ることになりました。さらにその先に「工務店選び」「間取りの打合せ」「ショールーム巡り」「仕様打合せ」「外構業者選びと打合せ」など、ありとあらゆる要素でいろいろなところを飛び回りましたから、本当に忙しかったですね。この「足を使う」というのは、これまで何度か不動産を購入したときと基本的にはまったく同じやり方でしたが、一方で、本格的にネットで物件探しをやったのはこれが初めてだったかもしれません。引越前の家を購入した(2003年〜)2004年の時点では、まだ住宅情報誌のような「紙メディア」のほうが情報が豊富でしたし、それより後のリゾートマンションの購入(2006年)のときは、物件が物件だけに、「情報誌やネットでアタリをつけつつも、実際には現地の不動産屋を巡ってその場で物件を紹介してもらう」というのが事実上唯一可能なやり方でした。一言で「現地」と言っても、実際には遠くの観光地ですから、まさに朝から晩までかかるひと仕事でしたし、それを熱海(2回)、湯河原、石和、富士五湖(2回)と6回も回ったので本当に大変でした。さらに遡って、結婚したころに買った新築マンション(2000年)のときには情報誌すら網羅性に乏しく、希望の沿線の駅で1つ1つ降りて散策しながら、マンションの看板やのぼりを見つけてモデルルームに飛び込む(+情報誌で見つけた物件を訪問する)という、今では考えられないような物件探しをやっていたのを、今さらながらに思い出します。ともあれ、今回もいつもと同じく「足」を使って希望の条件に近い物件を訪問して回ろうと考え、戸建ての中では最もコストパフォーマンスの高い「建売住宅」で探し始めたのですが、少し頑張ってみて、重大な事実にいきあたります。