自閉症と腸内環境に関する興味深い論文が
米国の老舗生物学雑誌Cellの電子版に自閉症児者のパニックと腸内細菌叢の関係を示唆させるこーんな論文が去年出た。
https://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(13)01473-6
上記は英文だが、ほぼ全面的に日本語化してくださっているありがたいページがあったので下記を見ていただければいいと思う。
https://syodokukai.exblog.jp/20091592/
この論文の話題が最近になってナショナルジオグラフィックの記事なったのでこっちは目にした人も多いかも知れない。
https://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141117003
ごくおおざっぱにまとめてしまうと自閉症モデルマウスにプロバイオティックス効果の期待される餌をやったら行動が改善されたと言う話である。
この話、モデルマウスではあるが、とっても興味深い話ではある。実際の不安症状、パニック症状などの治療に繋がる可能性も考えられるではないか。
自閉症と腹具合
この話、実はもう一つ目を引くものがある。それはこの実験の前提となっている「自閉症児者には胃腸の具合に問題を抱えた人が多い」という部分である。
自閉症児者の胃腸症状なんて話、日本の自閉症関係の本を見てもなかなか出てこない。
だが、心当たりがなくもない
強烈なの腹風邪から考えたこと
それは今年のゴールデンウィーク前にさかのぼる。のどをやられる風邪を引いた直後に、恥の上塗りならぬ「風邪の上塗り」でこれまで引いたことのないような派手な腹風邪を引いてしまい、トイレとの往復生活を余儀なくされた。
三日ほどは何も食べられず…というか食べることは食べられるのだが、すぐに腹痛→トイレという現象に七転八倒、脱水起こさないように気をつけるのが関の山という状態が続いた。
だが、この間、春先からちょっと悪化しつつあったリウマチの関節痛がケロッとなくなってしまったのである。
あまりの急激な変化に唖然とするくらいの急激な変化だった。そして腹具合が戻るにつれ、また関節の痛みがちょっと復活。
これはまずい!そしてなんか腸内が関係ありそうだとにらんで、急いでプロバイオティクスやら漢方やらなにやらいろいろ腹具合対策をしたらまた痛みが消失。
以来、ありがたいことに膝の痛みが出なくなった。
私はもともとそれほどお通じで困ることはなかったのだが、便秘しないからといって腸内細菌の状態が良いとは限らないのかも知れないと、ちょっと考えさせられた出来事だった。
そういえばガキの頃、腹具合を悪くしやすかったのか、ずっと”ミヤリサン(宮入菌製剤)”をのまされていたなあということもついでに思い出した。
デジタル耳せんの妙な効用?
まあ、偶然かも知れない…という面はあるが、ちょいと尾籠な話しを続けると…実はデジタル耳せんを利用しはじめてからひと月ほど、ほぼ生まれて初めて「便秘」などというものを経験した。
ひと月ほどでなくなったが、普段「通るか通らないか?」などということに思いをはせる習慣がないため、おなかが痛くなるまで…というのを何度か繰り返した。
もしかして、今まで環境音のダメージが腸の過剰反応になってたために、妙なところでバランスがとれてしまってさほどお通じに苦労してなかったのか?とも思った次第。
腸内細菌といえばユニークな治療法も
腸内環境を整えるといったら、ヨーグルトを食べるとか、乳酸菌製剤を飲むとか言った方法が有名である。だが、糞便移植というダイナミックな手もあるらしい。健康な人の便から抽出した細菌を生きたまま病気の人の腸に移植してしまおうというもの。
慶応大学で潰瘍性大腸炎の治療で臨床試験が行われたという報道があった。
液体のまま内視鏡を用いながら直接注腸する手法(慶応大の臨床試験はこの方法)もあれば、耐酸性のカプセルに詰めて経口摂取するという方法もあるらしい(これは海外)。
私の腸内の話しなどはまあ偶然かもしれないとしても、近年は腸内細菌と免疫の関係などもだいぶ明らかになってきたようでもある。何にせよ腸内環境には気をつけるのが吉ということかもしれない。 by ヨメレバ
<本稿おわり>
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