発達障害児のお母さんたちの怒りと嘆きを考えてみる-腹の立たない子育て-

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Nice!

発達障害児の子育てと怒り
発達障害児を育てていると何かと苦労が絶えないと言う話はよく聞く。
よく聞くのだが私に実感はない。なぜなら子供の行動に対してほぼ怒りを感じないからだ。
しかしうちの子供も2人とも間違いなく自閉症スペクトラムである。小さいときからいろいろやらかすことは絶えないわけで、そこにさしたる違いを感じない。
しっかりうちの子2人もやらかしている。">やらかすたびに対処するのはよそのご家庭と全く変わらないのである。
ただ、あまり対処に困らないので怒りも発生しないだけだ。

褒めて育てろと言われても…
子供が何かやらかすのは当たり前の話だが、発達障害児の場合、回数がハンパないと言うだけじゃなく、お母さんたちにとって理解しがたい反応するので怒りがわきやすいのかなあと思う。
「何やってるの!」「何でそんなことしたの!」「だめでしょ~!!」「そんなこと言わないの」
といういわゆるお母さんの定番の台詞が引き出す自閉っ子の反応は横っちょにそれることが確実なのでお母さんたちの怒りにつながりやすいのだろうと思う。
何かまずいことをしているのに対し、「何やってるの!」と言ったら「○○してるの」と平然と答えられたとしたら…
「そういうことを聞いてるんじゃないでしょ」といいたくなって当然といえば当然である。
ある意味こういう仕方のない反応がほとんどなのではないだろうか?
だが育児書も自閉症の本もこぞって「自己肯定感を育てるために褒めて育てろ」のオンパレードである。
あれこれ怒ってしまいがちなお母さんがこの「褒めて育てろ」と現実の板挟み状態になるのは容易に想像がつく。
子供に二次障害になってほしいと思う親なんていないわけで、困ったあげく叱れなくなってしまい、子供の要求を何でものむようになってしまうということだって起こりうるし、コミュニケーションがとりにくくなってしまうことも往々にしてある話だ。
だが自閉症児には伝わらない
1つ例をあげて話を進めるが、「何やってるの?」が「制止」の意味があるなんてことは年端のいかぬ自閉症児にはまず伝わらない(年いってても伝わりにくいことも多い)。
そして真顔に質問に答えてさらに「そんなこと聞いてるんじゃないでしょ」とさらにしかられる。
このパターンが常習化すれば、自閉症児の理解は「何やってるの」=「非難」=「怖いor不快」になるだけである。
メカニズムは簡単だ。「質問された」以上の意味がピンとこないだけである。たとえ親の顔であろうと表情なんて見てもよくわからないし、シチュエーションを読むほどの余力は自閉っ子にはない。
さてどうすれば双方のストレスを軽減できるのか?そこが問題だ。
叱る必要のあるときにちゃんと叱れるためにもここが重要になってくる。
伝わないことを前提として話すということ
さて私は実は冒頭にあげた定番の台詞をほとんど使わない。
なぜか?それは単に自分が言われたらあわ食うからである。そして代替手段を持っているので困らないからでもある。
とりあえず単純な例でいくと、幼児がジュースをコップに注ごうとしてこぼした時どうするか。
「焦らないで手をとめる」

「まずボトルを置いて」

「ぞうきんどこかな」

「拭こか」
とまあ、こんな流れになる。

小学生の子が「宿題したくなーい」と言い出した時は
「宿題、やりたくないのか」

「今日の宿題っていっぱいあるの?」

「どれがやりたくない宿題?」

とまあそこらからスタートするといろいろ話がでてくる。話を引きずり出したことろで「どうして宿題やりたくないと思い始めたの」といく。
子供が凍らないので適当に話が続くし特に怒りを発生させる要因も生じないという次第である。
初めからいろんなことが一発で伝わるとは思ってないのである。
危険防止、被害の拡大防止に目的を絞った指示さえ出せば、あとはコミュニケーションとりながらゆっくりやった方がお互いのストレスは少ないし、コミュニケーションとれるきっかけにもなるので、何かやらかしたことがそのうち糧になっていくだろう。

「何で!」を連発しないで済むための方策は「急ぐことをあきらめること」なのではないだろうか?
 
 
 

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