4月の新学期。
「今年のテーマは山登りハイキング」
と小学校最後の学年が始まりました。
一学期はクラスでいろいろな山にハイキングに行ってきました。
知的障害のある自閉症の子供5人を連れて
先生3人で公共交通機関を使ってのハイキングは
たぶん親の想像の何十倍も大変だったと思います。
先生方の惜しみない熱意にただただ感謝します。
子ども達のリュックはとても重かったけれど
万が一に備えた先生方のリュックは
きっとズシリと重かったでしょう。
いつもなら外に出るのが大好きなツヨは
5月の半ばから生活全般で一つ一つ用心深くなり、
今までなんの疑問もなく体が動いてきたことに
強いこだわりを持つようになりました。
手を洗うにも一緒に洗面所についていかないと家の中を歩けず、
蛇口の水も私がひねるか一緒にひねらないと
ずっと蛇口の下に手を出して
困った目でじっと私を見つめます。
『ぼくはいま水を出すのがどきどきしてしまうんだ』
と言っているのかなぁと思っています。
何もしていない時に
たまに急に心臓がすごく早く強くなって
しがみついてくるときがあって
そんなときはとっても怖いです。
生きているだけで精一杯なんだろうな・・・
そんな不安定なツヨなので今年の宿泊学習に参加するかどうか悩みました。
山登りに行って、日帰り銭湯に入り、しゃぶしゃぶを食べて
学校の裏山にテントを張ってキャンプ、
翌朝は自分たちで飯ごうでご飯を炊くという
本当に特別支援学校の小学部の宿泊学習?!という盛沢山の内容だったのです。
ツヨは前の週からどうしても裏山に登れないこだわりが出てしまい、
最悪、ツヨだけ学校で宿泊というお願いをしました。
そんな中、先生が何日かかけてツヨを裏山に誘い、
毎日少しずつ登れる距離を伸ばし、
そして前日・・・
ツヨは裏山に練習でテントを張り、中に入ってゴロゴロと楽しむことができました!
テントの骨組みをじょうずにつなげたり、とても楽しそうだったそうです。
ツヨのこだわりは難しい理由なんてないのだろうと思います。
理由はないけれど尋常でない強さでこだわります。
パニックを起こして激しく暴れることも最近は家でも学校でも多いです。
でも薬の助けも借り、ふっとこだわりが終わる時がくるのも確かです。
あれ?じゃ、さっきのあれは一体何だったの?みたいな。
それがツヨのつらさであり、そして大きな救いでもあります。
ツヨの表情を注意深く見ながら、チャレンジすることをあきらめなかった先生方に脱帽。
宿泊学習当日は夕方からあいにくの雨で、体育館でテントを張ってのキャンプになりました。
昼間の山登りのはじめに一度大きなパニックを起こして
近くまで心配で迎えに行きましたが、ツヨが持ち直したので
先生の判断で山に登りました。
やはりその後はとても楽しそうだったとのことで、
パニックの直接の原因はツヨの内面にある
見えない「何か」なのだろうと思います。
今日は以前のツヨに戻っているといいなと思いながら毎朝目が覚めます。
見えない何かさん、早くどこかへ行っちゃってください。
見えない何かと戦うさじ加減・・・って前にもタイトルつけたな・・・読み返してみよう
応援ありがとうです~